研究課題/領域番号 |
13877391
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木村 彰方 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60161551)
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研究分担者 |
中村 健治 (株)札幌イムノ・ダイアグノスティックラボラトリー, 企画開発部, 部長
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キーワード | タイチン / 単クローン抗体 / Z帯 / 心筋症 / 心筋梗塞 / テレトニン / 動物モデル / ミオシン脱リン酸化酵素 |
研究概要 |
タイチンZリピート領域を含むリコンピナント蛋白を用いて免疫したマウスから単クローン抗体を7種作製した。このうちタイチン機能上最も重要と考えられるアクチニン結合ドメインに対する単クローン抗体を用いて、サンドイッチELISA法によるタイチン測定系を開発した。リコンピナントタイチンを陽性コントロールとして標準曲線を作製し、これを基準として特発性心筋症患者、心筋梗塞患者、および非心疾患コントロール群の血清中の遊離タイチン濃度を測定した。その結果、コントロール群、急性心筋梗塞群では血中タイチンはいずれも検出限界以下であったが、特発性肥大型心筋症患者の約5%と陳旧性心筋梗塞患者の一部で有意な濃度の血中タイチンが検出された。一方、タイチンと結合するテレトニンに変異のある特発性心筋症患者(複数)の存在を明らかにしたが、それらに見出された病因変異はいずれもタイチン結合性を大きく変化させることを解明した。また、これとは別のZ帯要素であるZASPやFHL2の変異検索を行い、拡張型心筋症患者に病因に関連すると考えられる変異を見出した。これらとは別に、心筋に特異的に発現する新規遺伝子として昨年までに発現したミオシン脱リン酸化酵素抑制サブユニットであるM21を高発現するトランスジェニックマウスについて解析した。このM21高発現マウスは予想どおり心肥大を呈し、一部に突然死を認めるが、GeneChipを用いた発現プロファイル解析を行ったところ、これまでに心肥大との関連が知られていない既知あるいは未知の多数の遺伝子群(約200種)が特異的に発現変化することを見出した。このような発現変化を示す遺伝子群中にはイオンチャネル遺伝子が含まれており、それらの発現変化がM21トランスジェニックマウスの心肥大病態や突然死といかに関連するかを今後検討する。
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