研究課題/領域番号 |
13877393
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究分担者 |
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (30323405)
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キーワード | apical局在 / 経細胞輸送 / ベクトル輸送 / ABCトランスポーター / BCRP / 硫酸抱合体 |
研究概要 |
我々は、本年度科学研究費補助金(特定領域研究)の援助を受け、apical側膜上に発現されるbreast cancer resistance protein (BCRP/ABCG2)が硫酸抱合体を選択的に輸送し、異物排出に重要な役割を果たすことを示してきた。この蛋白質が正常に機能するためにはapical膜へ正常に局在することが必要である。本萌芽研究では、BCRPがapical側膜に局在する機構について検討を加えた。この目的のために、BCRP cDNAを安定発現させたLLC-PK1細胞を用いた。特にこの蛋白はN末端側に、ヌクレオチド結合ドメインを含む長い細胞質ドメインを有するため、N末のdeletion mutantを作成して局在の変化を共焦点レーザー顕微鏡により観察した。N末から10個ずつのアミノ酸を削り、局在を観察したところ、30個までのアミノ酸を欠損させても影響はないものの、40個、50個、および60個のアミノ酸を欠損させると細胞内に局在することが示された。なお、ヌクレオチド結合ドメインは、N末から60番目以降に存在している。そこで、30個めから40個めまでのアミノ酸を2個ずつ欠損させて検討したところ、34個まで削っても正常な局在を示すのに対し、36個以上削ると細胞内にも局在することが示された。この領域はヒト、マウス、ブタのBCRPで保存性の高い領域であり、この領域に何らかの細胞質蛋白質が相互作用して、BCRPのapical局在を支持しているものと推察された。
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