研究課題/領域番号 |
13877405
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村井 文江 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (40229943)
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研究分担者 |
田代 順子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (30134175)
谷川 裕子 筑波大学, 社会医学系, 助手 (60323309)
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キーワード | 女性 / 健康 / 健康増進行動 / ヘルス・プロモーション / "しかたない" |
研究概要 |
インタビュー内容を再度分析した。結果、健康上"しかたない"と認識していることの概念と"しかたない"という認識と健康行動の関連が明確になった。 1)健康上での"しかたない"ことの概念 健康上"しかたない"と認識されることは、自分のコントロールが及ばないと感じているところで生じた健康上の気がかりや問題(先行要件)によって、深刻ではないがしたいことができないなどの喪失が生じている状態であった。そして、その状態を"しかたない"と認識することで、「なぜ自分が」という否認から「自分のこと」として引き受けていた。"しかたない"と認識する内容は、人生経験や価値観によって個人差があり、状況によっても変化し常に"しかたない"こととして存在するわけでなかった。また、時間的特徴として、月経痛のように生じる期間が限られていることや繰り返すことが認められた。今後の予測としては、軽減または消滅することを期待しているが明らかな見通しがなかった。帰結として、健康行動を模索する場合と自然の解決を待つ場合が認められた。健康行動の結果、解決・軽減することもあるが不変の状況も認められた。 2)"しかたない"という認識と健康行動との関連 月経時の痛みに焦点を当てて、月経痛の状況と健康行動について、月経時の痛みを"しかたない"と認識している群としていない群で比較検討した結果、"しかたない"という認識と健康行動に以下の関連が見出された。"しかたない"という認識は、月経時の痛みそのもののとそのことに対する健康行動の結果に対するものの2つがあった。月経時の痛みそのものを"しかたない"と認識している場合にとられている健康行動は「我慢する」ことであった。月経時の痛みそのものを"しかたない"とは認識していない場合には、健康行動が模索されていたが、痛みの程度によって模索状況は異なっていた。また、健康行動の結果、月経時の痛みを"しかたない"と認識している場合は、健康行動によって個人が期待する結果が得られていない状況であり、かつ、その後の健康行動の模索があきらめられている状況であった。 今後は本研究での成果を踏まえ、女性の健康増進を支援するプログラム開発を検討していきたい。
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