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2003 年度 実績報告書

在宅ケアに必要なケアの要素に関する質的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13877410
研究機関熊本大学

研究代表者

東 清巳  熊本大学, 医学部, 助教授 (90295113)

研究分担者 永田 千鶴  熊本学園大学, 社会福祉学部, 講師 (50299666)
キーワード劣悪な療養状況 / 在宅療養 / 在宅高齢者 / 家族 / セルフケア能力
研究概要

劣悪な状況下で在宅療養を支えた介入
-在宅高齢者と家族のセルフケア能力の向上に焦点をあてて-
目的:劣悪な状況下での在宅高齢者および家族に対してどのような介入が、セルフケア能力を向上させ、在宅療養の継続を可能とするのかを明らかにするために、劣悪な状況を構成する要素と介入について検討した。
対象および方法:対象は、平成12年〜14年度のK県訪問看護職研究会で報告された、劣悪な状況下で在宅療養を行っていた8事例の高齢者・家族と、そのケア提供者である。方法は、報告された内容の中から劣悪な状況に関する記述、療養者・家族のセルフケア能力の向上と介入に関する記述を抽出し、質的に分析した。
結果および考察:劣悪な状況を構成する要素には、<劣悪な生活環境><コントロールされない病状><精神機能の低下><生活リズムの乱れ><ケア提供者を振り回す療養者・介護者><まずい家族関係>が抽出され、これらが相互に関わり、劣悪さを構成していると捉えられた。
また、劣悪な状況下でセルフケア能力を向上させた介入には、[バランスのとれた専門的関与]やケア提供者の[気がかり][こだわり][信頼を築く]ケアを基盤に、[感情の表出][力を強くする][調整][傾聴][共感][安心・安全の保証][まきこまれる][関わり続ける][臨床判断][意欲を高める][賭けに出る][距離をとる][わりきる][承認][環境整備]が抽出された。
そして、8事例中5事例に、セルフケア能力の向上が認められ、向上が認められなかった要因の一つに、家族関係の調整不足が示唆された。
本研究で認められたセルフケア能力の向上の多くは、数値で測定されたアウトカム改善の視点からは認識されにくく、事例検討によるセルフケア能力の向上と介入方法の詳細な分析が、劣悪な状況下での在宅療養を援助する方法に意義をもつと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 東 清巳, 永田千鶴: "在宅ケアに必要なケアの要素の妥当性に関する研究-ケア提供者としての看護婦の役割に焦点を当てて-"日本地域看護学会誌. 5巻・1号. 14-20 (2002)

  • [文献書誌] 東 清巳, 永田千鶴: "在宅ターミナルケアにおける家族対処の特徴と看護介入"日本地域看護学会誌. 6巻・1号. 40-48 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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