研究概要 |
少子高齢化社会において,働く女性に対する育児支援として,拡大家族の中での祖父母の役割を十分に活用し,母親とその母親を取り巻く家族、あるいは家族機能の活性化おいて,祖父母の役割には具体的にどのような意義があるのかを検証することを目的とし,勤労女性の中でも特に過酷な勤務を強いられる看護職者を対象として調査を行った。 調査は自己記入式質問紙により,出雲圏内4施設の看護職者989名と大阪市内の約900名を対象として実施し,今年度(平成13年度)は出雲圏内の分析を行った。出雲圏内において留置法にて調査票を配付回収し,859名から回答を得た(回収率86.9%)。子育て経験者はそのうち525名だった(61.1%)。平均年齢は42.9±7.3歳,平均勤務年数は20.4±7.3年だった。子どもの数の平均は2.34±0.7人で最小1人,最大5人の子どもを有していた。本調査では子育て期間を末子が小学校就学前までと限定し,分析を行った。子育て期間中の家族形態は,核家族27%,実父母と同居19%,義父母と同居が53%で,拡大家族の割合が多く,家族サポートが機能していると考えられた。さらに出雲圏内の対象者の場合,育児休業の取得率は子どもの数が増えても50%を超えず,また核家族の70%は1時間以内で親族の援助が得られる環境にあり,祖父母の援助が欠かせないものとなっていた。特に子どもの数が多いほど,義父母のサポート力が大きいことが示唆された。また家族機能についてFamily Adaptability and Cohesion Evaluation Scale-IIIを用いて調べたところ,家族システムの安定性は核家族よりも実父母・義父母同居家族の方が強く,祖父母の果たす役割が大きいことが示唆された。育児に関するストレスでは,「子どもにすまないと思う気持ち」が最も多く,対処行動では「何かをしようと努力する」の直接行為モードが高く,育児と仕事を両立させながら前向きに対処行動を起こしていた。
|