平成13年度では、40歳以上の男女中高齢者を対象に日常生活における運動習慣とその種類の違いが体力や呼気中窒素ガス濃度に影響を与えるか否かを明らかにするため被験者を3つのグループに分類した。すなわち、日常生活において1)定期的にテニスを実施しているグループ(以下テニス群)、2)定期的に太極拳を実施しているグループ(以下太極拳群)、3)定期的に運動を実施していないグループ(以下非運動群)である。各被験者の体力(握力、開眼片足立ち、閉眼片足立ち、単純反応時間、全身反応時間、長座体前屈、シャトルウオーク)と呼気中窒素(一酸化窒素、亜酸化窒素)ガス濃度を測定した。 本研究の主な結果では、一酸化窒素濃度を除き年齢と各測定項目との間に有意の相関関係が認められた。このことは加齢と共に体力は低下し、亜酸化窒素ガス濃度は増大すると言うこれまでの報告と一致するものである。一方、呼気一酸化窒素濃度は筋力、反応時間、閉眼片足立ちと、また呼気亜酸化窒素ガス濃度とシャトルウオークとそれぞれ有意な相関関係が認められた。 本研究の結果から、呼気中窒素ガス、特に呼気亜酸化窒素ガス濃度は中高齢者の体力あるいは防衛体力の指標の一つになりうる可能性が示唆するものと考えられた。
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