本研究は北海道産の玉葱について品種が明らかなものを試料とし、その食品学的な特性と加工適性について品種毎に明らかにすることを目的としている。さらに玉葱の特性を教材として食品学のなかに生かし健康と食素材の選択方法との関連および新規食品への対応方法から食教育へ展開させることを目的としている。 本年度は玉葱の性状や成分分析および調理加工適性の検討を行い、玉葱の食品学的な特性と加工適性について品種毎に明らかにすることができた。品種はトヨヒラ、スーパー北もみじ、オホーツク1号、ウルフ、カムイ、ひぐま、月輪、天心、北早生3号、そらち黄、蘭太郎、北見交27号である。 分析項目は球の性状(重量、硬度、糖度、色調など)、成分分析(機器分析による糖組成定量、アミノ酸組成定量、ピルビン酸やアスコルビン酸の定量など)、官能検査である。 北海道産の玉葱であっても北方種の特性を有するものだけでなく、南方種の特性を有する品種があり、品種によって加工適正が異なる事が示唆された。保存時の食品学的な特性についても品種毎に明らかにすることができた。研究成果は論文発表した。 食教育の教材としての検討は野菜の嗜好調査や学校給食での野菜の利用実態について調査し、函館市での実態を把握することができた。これをもとにして学習指導案を作成した。
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