研究概要 |
本研究は、人工現実感生成システムを用いて、インタラクティブな学習環境を構成し、先天性盲児を対象として空間概念等、認知能力の形成・向上をはかるシステムを構築することを目標としている。 本年度は、3次元の音源提示システムや、入力装置部分の資料を収集するとともに、システムの部分的な開発を行った。システムの入力部分として、ひずみゲージを用いた応力感知型のスイッチを開発して評価実験を行った。報告は「ひずみゲージを用いた応力感知型押下スイッチの開発と重複障害教育への応用」として、日本バーチャルリアリティ会第6回大会論文集(2001年9月),pp.79-80.、また、「ひずみゲージを用いた応力感知型押下スイッチの開発」として、国立特殊教育総合研究所研究紀要第29巻,pp.33-42において行った。 次いで、ひずみゲージを用いたシステムに加えて、感圧ゴムセンサーを用いた応力感知ユニットの試作を行った。このシステムは、イナストマと呼ばれる感圧ゴムを応用したセンサーであり、アンプを必要とせずに、マイクロコントローラとAD変換チップで利用することが可能である。音源を3次元でインタラクティブに操作するためには、入力する応力やその方向を自由に操作して、それらの入力をシステムに取り入れる必要がある。ここでは、棒形の操作部分を作成して、これに感圧ゴムセンサーを取り付けて、操作者の操作力を連続的に取り入れる機能を実現した。 次年度は、3次元音源提示部分のソフトウェア部分、すなわち、空間概念の形成・向上をはかる指導プログラムの作成、ならびに評価実験を行う予定である。
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