本年度は以下の3点について研究を実施した。 第1に、アクション・リサーチ研究手法に関して、先行文献をまとめその手法や意義を整理し論文化を行った。その成果は「教育・発達における実践研究」(東大出版会)や「教室におけるアクション・リサーチ」(金子書房)に発表した。またさらにこの手法が幼児教育における意味については、現在整理を行なっており次年度以降に論文化し報告する予定ある。 第2に、本年度最も精力的に行ったことは、公立1幼稚園において実際に幼少連携の実践研究を行い、その理論化を行った.連携の理論として「互恵性、継続性、名づけあう関係性、物語り性」の4原則を導き、連携カリキュラム、人的組織システム、実践の記録システムの開発の必要性を指摘するとともに、実践を通してその実証化を図った。この実践研究に関しては、年度後半に「幼少連携のカリキュラムづくりと実践事例」という著書にまとめた。 第3には、第2の研究の中心が幼稚園に合ったのに対し、小学校の授業におけるアクションリサーチとそこでのカンファレンスのあり方について実践を行いその結果を「アクション・リサーチによる学級内関係性の形成課程」に論文化した。当該論文では道具やカンファレンスの視点は十分には整理できなかったため、さらに分析検討をすすめている。
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