研究概要 |
聴覚障害児の残存聴力活用に関する評価と指導法の開発にあたり,下記の研究を行った。 a)音響材料の試作 b)楽曲の聴取能力の測定と評価 c)情報伝達率に関するソフトウェアの開発 d)障害児を対象とした実践的指導方法の開発・研究 本年度は,楽曲の音高列を用いた聴取実験の実施,データ分析の作業を行った。また,1980年代から主要なテーマとして取り組んできた,聴覚障害児における音響刺激の受容に関する測定尺度の線形化に関するソフトウェアを開発できた。さらに,そのソフトウェアをマイクロソフトEXCELのアドインソフトにすることができ,聴覚障害児の楽曲識別過程が健常者と異なることを実験的に明らかにできた。また,アドインソフトにできたことから,この測定尺度を希望する多数の研究者に提供できる準備を完成することができた。 また,本研究の実践に利用する過程に関する基本的研究として,健常児および知的障害児の象徴遊びに適用するパラダイムを探った。 本年度における研究成果は,日本音楽知覚認知学会,日本特殊教育学会,日本発達心理学会,日本音声言語医学会等で発表し,これらの当該学会において今後の研究課題を議論することができた。
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