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2001 年度 実績報告書

聴覚障害生徒の論理的思考能力の育成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13878040
研究種目

萌芽的研究

研究機関上越教育大学

研究代表者

黒木 伸明  上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (70059731)

キーワード聴覚障害 / 教材の視覚化 / 解法の構造的見方 / 多様な見方・考え方 / 数学の自由性
研究概要

聴覚障害生徒は語彙習得能力に劣るといわれている。これを補うという視点から、類推活動を取り入れた数学教材の開発を行い、公立中学校の聴覚障害生徒のクラスにおいて授業を実施した。教材開発において留意した点は、視覚可能な操作を重視した類推活動を行う場面の設定である。すなわち、「5角形が3つの3角形に分解できる」ことの類推として、「星形7角形が3つの星形5角形に分解できる」ことを操作を取り入れた活動により発見させる授業を行った。この成果は、全国聾教育研究大会(福井大会)において発表された。聴覚障害生徒は一般の生徒に比べ多様な、教師の予想を超える反応をすることが多く見られる。これらに適切に対処するためには、教材を深く多様な考え方を取り入れた教材研究をする必要がある。そこで、聴覚障害生徒を指導する教員の養成の立場から、数学教材をどの様に見るべきかを考察した。すなわち、「中点連結定理」の証明を、数学における「多様性・自由性」の観点から10数通り与え、これらの証明の方法を特殊・一般の関係と見ることにより、各々の証明を元とする集合を構造的に見ることが出来ることを示した。他の多くの教材も解法・証明の集合を構造的に見ることが出来ること、また、このように見ることで、生徒の多様な反応に適切に対処出来るだけでなく、教師の適切な数学観が養成されることが期待できる。この成果は数学教育学会誌に発表された。また、作図活動を取り入れた教材が論理的思考能力の育成だけでなく、数学における創造性育成に効果があることを、「正6角形をいろいろな方法で作図しなさい」という課題を例に考察した。この成果は数学教育学会誌に発表された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 黒木 伸明: "作図活動による問題設定について"数学教育学会誌. Vol.42 No.1・2. 51-58 (2002)

  • [文献書誌] 中込 雄治, 黒木 伸明: "数学の自由性と教師の数学観"数学教育学会誌. Vol.42 No.1・2. 71-79 (2002)

  • [文献書誌] 黒木 伸明: "聴覚障害生徒の類推能力の育成を図る教材の開発について"全日本聾教育研究大会研究集録. 35. 137-138 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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