自律調整・自己組織機能を備えた超並列光計算デバイスの平面的構築法

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13878053
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 熊澤 逸夫 東京工業大学, 情報理工学研究科, 助教授 (70186469)
• キーワード: 光計算 / コヒーレンス / 並列計算 / レーザ / 自律調整 / 干渉

研究概要

本研究では、従来の光計算方式の問題点を「光学素子の3次元配置に伴う実装の困難さ」、「製造時あるいは使用時に光学素子配置に求められる精度とその維持」そして「計算内容の変更しにくさ」の3点にあると認識し、これらの問題点を克服する新しい光計算デバイスを開発することを目的としていた。研究機関内に以上の3つの問題点に対して次のように対応した。
1 平面的構成を持つ光計算方式を考案し、光計算デバイスを集積化・小型化可能として実装困難さに対応した。
2 光計算デバイスに自律調整機能を付加して製造時の誤差や使用時の変形を許容できるようにした。
3 光路を可変とする機構により光計算デバイスに自己組織機能を導入し、計算内容を柔軟に変更できるようにした。
研究期間が限られていたため、実際のデバイスの製作には到らなかったが、物性、加工技術面での実現可能性の調査・検討、計算機シミュレーションによる最適構成の確定とその動作の検証を行った。
本助成金により、キーエンス社製のレーザ干渉測定器を購入して、レーザの干渉精度、平板状空間内での導波形態を実験し、限られた加工技術面での制約下で提案方式を実現できることを確認した。特にレーザ干渉測定器を利用して干渉と光路の誤差・ノイズを評価して、その特性を反映しながら平板内の光の伝搬を計算機シミュレーションして最適構成を確定した。

研究成果

• [文献書誌] masaki Ishii, Itsuo Kumazawa: "Linear Constraints in Weight Representation for Generalized Learning of Multilayer Networks"Neural Computation. Vol.13, No.12. 2851-2863
• [文献書誌] 石井真樹, 熊沢逸夫: "パターンの変動を考慮した階層型ニューラルネットワークの汎化学習法における精度の改善"電子情報通信学会論文誌(D-II). Vol.J85-D-II, No.1. 153-156
• [文献書誌] 松澤悠樹, 阿部 亨, 熊沢逸夫: "輪郭線周囲のクラスタリングによる動的輪郭モデルの制御"電子情報通信学会論文誌(D-II). Vol.J85-DII, No.2. 252-261
• [文献書誌] 松澤悠樹, 阿部 亨, 熊沢逸夫: "初期輪郭線から得られる形状情報を用いた動的輪郭モデル"電子情報通信学会論文誌(D-II).
• [文献書誌] Emmanouil Piperakis, Romanos Piperakis, Itsuo Kumazawa: "3D object & Light Source Representation with Multi Layer Feed Forward Network"Neural, Parallel and Scientific Computations.