13年度においては、ハードウェア的実験環境の基盤整備と、実験素材となるビデオクリップ群の生成と登録のためのソフトウェア開発を行った。具体的には、以下の2項目を実施した。 (1)グラフィック・ワークステーション(GWS)を主ビデオクリップサーバとし、パーソナル・コンピュータ(PC)1台を副サーバ、もう1台を遠隔にネットワーク接続されているクライアント・マシンと見立てた実験環境を構成した。実験環境の確立にあたり、次の事項を検討した。・ビデオやCGなどの動画情報をストリーミング配信する場合の、通信回線に見合った適切な動画ファイル・フォーマットと容量の検証・利用可能な送受信用ソフトウェアの検証 これらの実験・検証の結果、家庭用ビデオで撮影された動画像をリアルビデオフォーマットに変換し、リアルビデオサーバにより配信することで、実用上問題のないビデオ配信が可能なことを確認した。 (2)ビデオクリップの属性やクリップ間の関係を関連づけるためのRDF用タグと、入力タスクを軽減するためのGUI(Graphical User Interface)の基礎的検討を行った。本研究で扱うビデオクリップは教材用として制作されたものに加え、ニュースやテレビ番組など他の利用目的に作られたものを再利用することも考慮している。そのためビデオクリップ自身の特徴を属性情報として記述することは重要な問題である。また、本研究では本来別のビデオに存在する複数の部分を合成して新たなビデオを動的に作り出すことを目指しているため、ビデオクリップ間をRDFによって効率よく関連づける必要がある。この際、ビデオクリップ間を関連付けるRDFによる有向グラフは複雑になり、GUIによる視覚的に理解しやすいインタフェースは必要不可欠のツールとなる。このためのソフトウェア開発もあわせて行った。
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