研究概要 |
医療現場で直面している問題点として,問診等で多用される身体の痛みを訴える際に,健聴者間で自然に共有・獲得されている言語音をシンボル媒体とするオノマトペの概念が利用できない(機能しない)という指摘がなされている。そのため本研究では,従来の研究成果を発展させ,文要素との共起関係の類似性に基づくオノマトペの体系化と概念獲得過程に果たす役割を明らかにするため,オノマトペ間の類似関係を他の文要素との共起関係を特徴観点とするn次元の特徴ベクトル間の類似関係と捉え,ベクトル間の類似度を計算し,類似度のしきい値を段階的に変更することで階層的なクラスタリングを行ない,意味・用法を考慮したオノマトペの体系化を行う.今年度は、日英対訳辞書の例文から抽出したオノマトペと共起する動詞と名詞の自動抽出プログラムを作成し、共起関係データベースを整備した。この共起関係抽出プログラムは、研究代表者が提案した手話単語間の動作の類似性を手指動作記述文間の類似性と捉え,文間の類似度を計算し手話単語を分類する方法をオノマトペ間の共起関係に拡張したものである。また、(コロコロ,ゴロゴロ)にみられる形態の類似性と意味の類似性について、得られた共起関係を基に検討を行なった。 次年度は、この得られたデータベースを基に体系化、すなわち、分類生成プログラムを作成し、小規模な実験を行ない、問題点を洗い出す。また、データベースの大規模化を進める。
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