本年度は、仏像様式判定研究に使用するデータの選定と収集、コンピユータ可読化などの基礎的作業を実施した。当面の研究対象として選定した仏像は、飛鳥時代から江戸時代にいたる代表的仏像彫刻295点である。それらの仏像についてさまざまなアングルからの写真、計783枚をデジタル化し、作者、制作年代、製作技法、法量、持物などの関連する属性情報の入力を完了した。また、快慶作の仏像についてのみ、現存作品のリスト作成と関連論文の収集を完了した。さらに、本研究をサポートするのに適切なアルゴリズムを検討し、形態分類をおこなうためのソフトウェア開発を開始した。そして仏像の正面・側面像から様式・作者を識別可能であるかを検討し、輪郭形状の数量化手法を考察した。
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