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2003 年度 実績報告書

仏像様式判定の科学化に向けた認知構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13878067
研究機関国際日本文化研究センター

研究代表者

早川 聞多  国際日本文化研究センター, 文化資料研究企画室, 教授 (10208605)

研究分担者 山田 奨治  国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (20248751)
青木 惇  高知女子大学, 文化学部, 助教授 (00305806)
キーワード仏像 / 数量化 / パターン認識
研究概要

平成15年度は、鎌倉時代の仏師・快慶の作品に絞って、専門家がどのようにして作風や真贋を認知しているのかの解明と、数量的な分析手法の開発・比較を進めた。手はじめに、快慶の作と比定されている如来形像の全作品を対象にして、それらの相貌表現の数量分析を試みた。顔部品の配置を示す8種類の示数を定義し、そこから得られた計測値に対して主成分分析を施した結果、作品の製作期がよく区分できることと、後期作品に表現上の偏りがあることがわかった。
また、同様の手法を前年度までに収集・電子化した飛鳥時代から鎌倉時代の代表的な如来形像に対して適用してみた結果、仏教美術史での通説と比較して違和感のない結果が得られ、手法の妥当性を支持する材料を得た。
快慶の後期作品にみられる差についてさらに分析した結果、後期になるととくに口裂幅が狭くなり、ばらつきが少なくなることがわかった。種々の判別手法を適用してみた結果からも、後期作品は初・中期とは明確に異なることがわかった。
複数の専門家のあいだで真贋の判定に異説がある作品について、数量分析の結果を個別に検討し、諸説の整合生と相違点を明確にすることができた。とくに、中期と後期とで作風が変化することについて、専門家が定性的に表現してきた事項を、平均顔の作成・比較という形で視覚的に把握することを可能にした。
われわれは、これらの結果から、快慶作品の真作・工房作の基準について、あらたな仮説を提示するに到った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 青木淳, 山田奨治: "仏像の数量分析の試み-快慶による如来形像の流れ-"情報処理学会シンポジウムシリーズ. 2003・21. 55-62 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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