研究課題/領域番号 |
13878077
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
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研究分担者 |
前園 宜彦 九州大学, 大学院・経済学研究院, 助教授 (30173701)
中井 達 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (20145808)
時永 祥三 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30124134)
藤田 敏治 九州工業大学, 工学部, 講師 (60295003)
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キーワード | ポートフォリオ / 平均・分散理論 / 動的計画法 / 数理ファイナンス / 単一評価 / 複合評価 / 政策クラス / 分数型評価 |
研究概要 |
マルコビッツのポートフォリオ理論では平均・分散基準の確定的最適化を数理計画法によって行っている。これは時間を含んだダイナミックな問題を、期待値操作または極限操作により、瞬時の静的問題として解析している。すなわち、時間推移に伴うダイナミズムの取り扱いを無視していた。しかし、本研究においては、【動的な問題には動的な解析】を行って、最適化を行おうとしている。 まず、数理ファイナンス分野おける新しい評価基準として単一評価クラスと複合評価クラスを導入して、その不確実性の下での動的最適化手法を提案している。とくに、リスクとリターンを確率変数そのものとして取り扱い、制御マルコフ連鎖上で分数型基準の条件つき期待値を再帰的に最適化している。分数型評価は複合評価の典型的な基準の一つであるが、他に、範囲、分散などの複合型基準の動的最適化をおこなっている。さらに、動的計画法を中心とした動学的最適化手法として、(1)原始政策法、(2)拡大マルコフ政策法、(3)多段確率決定樹表を開拓し、既存の最適化手法では解けない問題を提案し、これらの最適解を導いた。また、動的最適化手法をより分かりやすく、説得力あるものにするために、各種グラフィックス表示およびその開発をおこなった。とくに、不確実性の下において非加法型評価の多段階意思決定過程の最適化を動的計画法によって行った。具体的には、(1)事前条件付き意思決定過程と(2)事後条件付き意思決定過程の二つを新たに導入し、(3)条件なし(本来の)意思決定過程との最適解の構造およびそのアプローチにおいて三つの過程の相違点を明らかにした。 さらに加法型評価と非加法型評価との相違を最適解・アプローチにおいて解明し、三つの手法で多段決定過程の最適化を行った。ここでは評価系を加法・非加法の枠を超えて、広く単一・複合としてとらえ、動的計画法が広く適用できることを実例とともに示した。 本研究によって、多期間ポートフォリオ理論に新しい評価基準が導入され、その下での互いに同等な動的最適化手法が広く利用できるようになった。これはまさしく本萌芽的研究の一つの成果である。
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