1.実験に必須である非中性トラップに陽電子をため込む理研における実験に協力した。ここでは、入射した低速陽電子を電子プラズマで減速する非断熱過程でトラップ内に陽電子プラズマを形成する。このためには高密度の非中性プラズマをまず発生する必要がある。静電調和ポテンシャル井戸のなかに直径1mmで主軸長30cmの回転楕円体電子プラズマを形成し、陽電子減速に十分な10^<11>cm^3を作ることに成功した。 2.陽電子と電子を混合して陽電子・電子プラズマ(pair-plasma)混合流を発生する主要な部分を設計製作した。混合流を導くための400G発生磁場コイル、コイル内に挿入して混合流内の波動励起実験のための内径36mm超高真空容器、混合用電子発生部を完成させた。この真空容器は電子・陽電子プラズマの波動の励起と計測のためのグリッド電極を挿入できるようになっている。 多粒子数の陽電子プラズマが得られるようになれば、トラップよりパルス的に放出した陽電子流を利用してpair-plasmaの波動の実験ができると期待される。
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