研究概要 |
CHSヘリオトロン/トルサトロン装置において、0.0875Tの低磁場条件で1KWの低出力2.45GHzのマイクロ波電源を用いて水素及びヘリウムプラズマ生成の予備実験を行ない、プラズマの次元的相似性を判定するのに重要な3パラメータ(実効的衝突周波数v.^*,プラズマトロイダルベータ値β_t,及び実効的イオンラーマー半径P^*)とプラズマの静電揺動特性を調べた。プラズマ加熱電力が1kWと相当小さいため、得られたプラズマの電子密度は(2-7)x10^16m^<-3>,電子温度は5-8eVであった。このとき、実効的衝突周波数v^*〜0.9、プラズマトロイダルベータ値β_t〜0.002%、実効的イオンラーマー半径p^*〜0.07(イオン温度=電子温度と仮定して評価)でありCHSの高磁場・大電力加熱プラズマの周辺プラズマのパラメータに近い。また、電子密度と電子温度の径方向分布はそれぞれ凹型、平坦であり、電子密度及び電子温度揺動の相対振幅分布は規格化小半径r/a=0.7から急速に増大し、最外殻磁気面の位置(r/a=1)でそれぞれ15%と7%程度となり、これまでに高磁場のトカマクやヘリカルプラズマで計測された揺動分布と極めてよく似た特徴を示した。また、電子密度などの周波数スペクトルは乱流的であり、これも高磁場プラズマの特徴と極めて類似しており、このような低磁場条件で生成された低密度・低温プラズマにおいてもプラズマ乱流と閉じ込め実験が有意義であることを示唆している。また、このような低磁場で電子密度を10^<18>m^<-3>台に増加させるため9MHzのヘリコン波(あるいはホイッスラー波)によるプラズマ生成予備実験も行ない、〜2x10^<18>m^<-3>の電子密度を達成した。 平成13年度末までに、20kWマイクロ波電源を完成予定であり、平成14年度ではさらに50-100eVの電子温度を狙える。このような状況で、実効的衝突周波数及びプラズマベータ値を高磁場・大電力加熱プラズマのそれらに漸近させることができ、実効的ラーマー半径のみが異なる次元的相似なプラズマが実現できるものと期待される。
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