研究課題/領域番号 |
13878100
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 あかね 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80293067)
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研究分担者 |
斎藤 穂高 (株)三菱化学安全科学研究所, 横浜研究所, 部長研究員
中野 義夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30092563)
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キーワード | 土壌動物(ミミズ) / ダイムロン / OECDガイドライン / 生物分解 / バイオレメディエーション |
研究概要 |
土壌生物(ミミズ)を用いた農薬のバイオレメディエーションに向け、本研究ではまず農薬の選定を行った。その結果、出荷量が多いこと、比較的半減期が長いこと、移動性が低く土壌表層中に高濃度で蓄積する可能性があることから、ウレア系の除草剤であるダイムロンを選択した。OECDガイドラインの規定に従って、ミミズに対する急性毒性試験(接触ろ紙試験)を行ったところ、10ppmの濃度でもミミズ(Eisenia fetida)の致死率は0%であることが確認された。農地への一般的なダイムロンの散布量は1ppmであるので、土壌中ダイムロン濃度はミミズの生存に影響を与えないことを確かめることができた。続いて、土壌中に散布されたダイムロンに対するミミズの影響を調べるために、OECDのガイドラインに沿って人工土壌を作成し、そこに散布されたダイムロン濃度の経時変化をミミズのいる系といない系とで比較した試験を24日間行ったが、ミミズのいない系ではダイムロン濃度が変化しなかったのに対し、ミミズのいる系ではダイムロンの濃度が明らかに減少していた。報告されているダイムロンの半減期は50日であるが、ミミズが生存している人工土壌中では半減期が約半分に短縮された。更に、試験後、ミミズを回収して体内のダイムロン濃度測定を行ったが、体内にダイムロンが蓄積された形跡は全く認められなかった。こうしたことから、除草剤ダイムロンについて、ミミズを用いたバイオレメディエーションの可能性を示すことができた。
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