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2001 年度 実績報告書

真核細胞の膜蛋白質に存在する新規のErHドメインの細胞機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13878126
研究種目

萌芽的研究

研究機関千葉大学

研究代表者

遠藤 剛  千葉大学, 理学部, 助教授 (30194038)

キーワード膜蛋白質 / 小胞体 / 蛋白質モジュール / HELPドメイン / 神経細胞分化 / CREB / Caイオン放出
研究概要

私たちが新たに同定した小胞体膜蛋白質のermelinは,酵母から高等動植物に至る真核細胞のさまざまな膜蛋白質に広範に見いだされる新規のモチーフ配列HELP(ErH)ドメインをもつことから,全真核細胞に共通にみられる重要な機能をになっていると予想される.そこでこのHELPドメインをもつ蛋白質の細胞機能と,HELPドメインの機能を明らかにすることを本研究の目的とする.
ErmelinをN1E-115細胞にトランスフェクトすると神経突起形成が誘導された.このとき神経細胞分化にかかわる転写因子CREBのSer133がリン酸化され,さらにCREBの活性化を介したCRE活性が上昇した.Ermelinによる神経細胞分化は,細胞内Ca^<2+>をBAPTAでキレートした場合には,抑制された.またCaMKIVのドミナントネガティブ変異体や,CaMKIVをリン酸化して活性化するCaMKKのドミナントネガティブ変異体を共トランスフェクトした場合にも抑制された.一方,ermelinをトランスフェクトした細胞では,bradykininによる小胞体からのCa^<2+>放出が阻害されることが,細胞内Ca^<2+>濃度の解析から明らかになった.Ermelinはヒスチジンに富む領域を2か所もっており,ここでNi^<2+>を結合した.以上のことから,次のようにしてermelinによる神経細胞分化が引き起こされると考えられる.Ermelinにより動員されたNi^<2+>はIP_3受容体に結合してこの受容体を不活性化し,細胞内Ca^<2+>濃度は低下する.その結果calcineurinが不活性状態になり,CaMKKやCaMKIVは活性化される.CaMKIVがCREBのSer133をリン酸化して活性化することにより,神経細胞分化が誘導される.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Suzuki, A.: "Ermelin,an endoplasmic reticulum transmembrane protein,contains the novel HELP domain conserved in eukaryotes"Gene. 284(1/2). 31-40 (2002)

  • [文献書誌] Kato, M.: "WICH,a novel verprolin homology domain-containing protein that functions cooperatively with N-WASP in actin-microspike formation"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 291(1). 41-47 (2002)

  • [文献書誌] Endo, T.: "Reversal of terminally differentiated state in skeletal myocytes by SV40 large T antigen"Reactivation of the Cell Cycle in Terminally Differentiated Cells. 63-75 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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