研究概要 |
・倒立型顕微鏡と,照明光を高い精度で一点に集光する光学系を用いて観察システムを改良し,直径数ミクロンの気泡のふるまいを最高観察速度800万コマ毎秒,最大光学倍率200倍で観察することが可能となった.開発した観察システムを用いて直径3-5μmの模擬造影剤気泡,および直径1-3μmの超音波造影剤気泡のふるまいを観察し,気泡が単純な膨張・収縮運動だけではなく非等方的な変形をも生じていることを確認した. ・数種類の気泡について超音波照射下での等方的な膨張・収縮運動を観察し,気泡のシェルや径の違いによる気泡のふるまいの違いを調べた.また,気泡のシェルや初期径を考慮して気泡の等方的な膨張・収縮のシミュレーションを行い(拡張Reyleigh-Plesset方程式),実測結果との比較を通じてシェルの物理特性の推定を行った. ・気泡が強い音圧下で急速に収縮する際に非等方的な変形を生じ,その結果微小な流れを発生することを観察を通じて明らかにした.また,気泡の分割も気泡の収縮後に見られたことから,気泡の分割は気泡の非等方的な収縮により発生した微小な流れによるものと考えられた. ・異なるシェルを有する気泡の懸濁液について透過減衰特性の実測とシミュレーションを行い,超音波の強度に依存して気泡懸濁液の減衰係数が変化すること,シェルの物理特性が減衰特性に強く影響を与えることを示唆する結果を得た. ・任意波形発生器,アンプ,振動子,水槽からなる任意波形超音波発生装置を試作した.
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