研究課題/領域番号 |
13878190
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研究種目 |
萌芽的研究
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
尾崎 美和子 理化学研究所, 神経構築技術開発チーム, 研究員 (30291058)
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研究分担者 |
市川 道教 理化学研究所, 脳創成デバイス研究チーム, チームリーダー(研究職)
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キーワード | 小脳 / ニューレグリン / ErbB / 神経活動依存的 / 電気刺激装置 / 埋め込み型多点電極 / デバイス |
研究概要 |
神経細胞は発生のある時期から電気的な活動を持つようになる。特に、神経細胞がもつパターン化された電気的活動(自発発火を含む)が、環境(Epigenetic factor)に依存した神経回路形成と発達において重要であるといった仮説のもと実験をおこなってきた。同じ遺伝学的背景をもつ神経細胞でも、細胞を取り巻く環境により異なる特徴、歴史をもつ。それらの情報は神経活動のパターンとして貯えられているのではないかと考えている。実際に我々は神経活動のパターン、特に周波数が脳の可塑性を制御するうえで重要であることを証明してきた。本研究期間中には、更に神経活動のパターンの持つ意味を解読していくと同時に、これまで蓄積してきた橋・小脳路系の基礎データをもとに埋め込み型デバイスの開発を行い、器官培養系とIn vivoに応用していきたいと考えている。 本年度は、神経活動のパターン解析のために必要な電気刺激装置と刺激方法、刺激電極の開発を行い特許出願及び申請を行った。本装置と方法は、培養中枢神経細胞、末梢神経細胞に一定電流を様々な条件で暴露することにより均一に、多量に神経細胞の脱分極を起こさせ、人為的に長期間(秒から日)活動電位の発火を誘導することができるため、分子生物学的、生物学的解析手法により神経活動依存的現象を研究するのに大変有用である。また現在、我々が開発した多点電極刺激装置を用いることにより、電気刺激により分子の挙動がどのように変化するかを明らかにし、神経活動のパターンと分子変化との関係のプロファイリングを行っている。また、神経回路網を保持したIn vivoとIn vitroの中間的性質をもつ器官培養系に多点電極刺激装置を用い電気刺激を加えることにより、神経活動のパターン形成におけるタイミングの研究をおこなっている。本研究は、In vivoへの応用への基礎研究として非常に重要と思われる。
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