研究課題
この研究の目的は大強度ミューオン源を可能にする方式を明確にし、その応用の可能性を探ることである。大強度ミューオン源に関しては2つのKey Words、「Phase Rotation」と「FEAG」を中心にして検討を進めた。ここで「Phase Rotation」とは加速・減速器により異なるエネルギーを持つ粒子のエネルギーを揃え、それにより輝度を高める方式である。また「FFAG」は固定磁場を使ったシンクロトロンの一種であり、運動量アクセプタンス・横方向アクセプタンスが大きいのが特徴である。定期的な会合および2回のワークショップを行い次のような成果を得た。ハードウエアーについては(1)標的・パイオン捕獲:耐放射線標的の検討、パイオン捕獲方式の検討と粒子生成スペクトルのSimulation、超伝導ソレノイドの設計など、(2)FFAAG加速器:ラテイス設計、粒子軌道Simulation、RF空洞・RF源検討、入射・取り出しキッカー電磁石設計、(3)パイオン捕獲用超伝導電磁石、(4)大強度ミューオン源を使った素粒子実験に於ける検出器、特に超伝導スペクトルメーター、等を詳細に検討した。また大強度ミューオン源の応用に関しては、(1)レプトン・フレーバー非保存過程に代表される素粒子物理、(2)大強度ミューオンを使った化学、(3)微量元素分析と医学診断、(4)その他を深く研究した。ワークショップの成果については別途報告する。