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2005 年度 実績報告書

細胞内物質輸送の分子機構;分子細胞生物学、構造生物学および分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13CE2004
研究機関東京大学

研究代表者

廣川 信隆  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20010085)

研究分担者 中田 隆夫  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50218004)
野田 泰子  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50262019)
金井 克光  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80214427)
田中 庸介  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90302661)
武井 陽介  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20272487)
キーワード分子モーター / キネシン / 微小管 / 細胞内物質輸送 / 分子細胞生物学 / 分子遺伝学 / 構造生物学
研究概要

1)新しいモーター分子群KIFsの探索と機能の分子細胞生物学的解析:KIF12, KIF13B, KIF14, KIF16A, KIF16B, KIF18A, KIF18B, KIF19A, KIF19B, KIF26A, KIF26B等について分子細胞生物学的解析を引き続き行なった。
2)モーター分子のCargoとその認識・結合機構の解明:モーター分子群が如何にして自分の荷物を認識・結合するかを、Yeast two hybrid system, GST、結合カラム、免疫沈降法、ビアコア、レーザー質量分析等の生化学的方法を組み合わせ解析し、KIF4がポリADPリボースポリメレース1(PARP1)に結合することを明らかにした。(Midorikawa, R. et al. Cell (in press), 2006)
3)KIF3モーター(KIF3A/KIF3BとKAP3よりなる)の機能をブロックする為KAP3のconditional knock outマウスを作製、神経系のみでKIF3の機能抑制を行なった。KAP3-/-マウスには脳腫瘍が形成され、KIF3モーターがN Cadherin/βcateninをGolgiから形質膜に輸送することにより細胞の過剰な増殖を抑制し、腫瘍形成を抑制していることを明らかにした。(Teng, J. et al. Nature Cell Biology, 2005)
4)KIF3モーター欠失マウスの解析よりKIF3が体の左右を決定するNodeの細胞で線毛を形成する材料を送り、線毛を形成しその線毛が回転運動をすることにより胎児外液の左向きへの流れ、Node流を形成することを明らかにしたが、その延長線上の重要な課題で回転運動により左向き水流が出来る機序及び分泌された蛋白がNode流で左側での濃度勾配を生じること(Okada, Y. et al. Cell 2005)、及びFGFシグナル依存性にNodeの細胞がSHH、レチノイン酸を含む大型小胞を分泌しそれがNode流により左へ流され左側へシグナルを伝えることを明らかとした。(Tanaka, Y. et al. Nature 2005)
5)モーター分子の作動機構の分子生物物理学的及び構造生物学的解析:a)構造生物学的アプローチ:A.電子顕微鏡:モーター分子KIFの動きの仕組みの解明の為には、レールである微小管との相互作用の解析が不可欠となる。この目的には、クライオ電子顕微鏡は非常に有効である。電解放射型透過型電子銃、精度の高い画像解析により、2次構造に迫る8〜9Åの解像度を達成し、ヌクレオチド状態による分子内の構造変化とともに、微小管との2次構造での相互作用を観察した。また微小管側のα、βチュブリンを各々に対するモノクローン抗体で標識しモーター分子の作動機構とレールの微小管との関係を解いた。B.X線結晶解析:X線結晶解析により、KIF分子のATPの加水分解サイクルの途中に相当するいくつかの状態の構造を解いた。特にKIF1AについてはNonucletide状態等を中心に解析がすすんでいる。他の特徴あるKIFの中から中央にモーター領域のあるKIF2についても全長を含むより長い構造についてATP加水分解の異なったstepについて解析している。C.X線結晶解析と電子顕微鏡で得られた構造の統合:両者の解析で得られた構造を、3次元上で統合することにより、原子レベルから微小管との相互作用に至る一連の仕組みを理解しようとしている。
7)モーター分子のCargoとの結合の構造生物学的解析:モーター分子尾部とCargoの結合及びその解離、修飾の機構をX線結晶解析、NMR等の構造学的手法による解析を開始した。
8)遅い軸索輸送(細胞質蛋白群の細胞内輸送)の分子機構の解明:transgenic mouseの手法を用いて遅い輸送で送られる蛋白と候補モーターの結合に注目し遅い輸送の機構を解析した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Molecular motors and mechanisms of directional transport in neurons.2005

    • 著者名/発表者名
      Hirokawa, N., R.Takemura.
    • 雑誌名

      Nature Reviews Neuroscience 6

      ページ: 201-214

  • [雑誌論文] The KIF3 motor transports N-cadherin and organizes the developing neuroepithelium2005

    • 著者名/発表者名
      Teng J., T.Rai, …, N.Hirokawa.
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology 7

      ページ: 474-482

  • [雑誌論文] FGF-induced vesicular release of Sonic hedgehog and retinoic acid in leftward nodal flow is critical for left-right determination2005

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, Y., Y.Okada, N.Hirokawa.
    • 雑誌名

      Nature 435

      ページ: 172-177

  • [雑誌論文] Mechanism of nodal flow : a conserved symmetry breaking event in left-right axis determination.2005

    • 著者名/発表者名
      Okada, Y., S.Takeda, Y.Tanaka, J.-C.I.Belmonte, N.Hirokawa.
    • 雑誌名

      Cell 435

      ページ: 172-177

  • [雑誌論文] Analysis of the kinesin superfamily : insights into structure and function.2005

    • 著者名/発表者名
      Miki H, Y.Okada, N.Hirokawa
    • 雑誌名

      Trends in Cell Biology 15

      ページ: 467-476

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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