研究課題
本プロジェクトでは、寄生性線虫Bursaphelnchus xylophilusと①寄生性、②宿主、③ベクターとなる昆虫種の異なる近縁なBursaphelenchus属線虫のゲノムを解読し、B. xylophilusのゲノムと比較することによって、線虫の寄生性および昆虫とのインタラクション機構を比較ゲノム的に明らかにすることを目的とする。また、B. xylophilus種内の病原力の異なる株を用いたゲノム比較により病原力に関わるゲノム領域の同定にも取り組む。本年度は、寄生性線虫B. xylophilusの近縁種5種、B. mucronatus、B. conicaudatus、B. luxuriosae、B. doui、B. okinawaensisの線虫株を確立し、これらの培養線虫から高品質ゲノムDNAを抽出して、イルミナ社HiSeq2000を用いてシーケンスリードを獲得した。また、B. xylophilus種内で病原力の異なる線虫株を準備し、同様に培養線虫から高品質ゲノムDNAを抽出して、イルミナ社HiSeq2000を用いてシーケンスリードを獲得した。今年度の解析は種内ポピュレーションの比較を中心に行った。得られたシーケンスリードをB. xylophilusのレフェレンスゲノムにマッピングし、SNVおよびインデルのコーリングを行った。得られたバリアント部位は、PCRとサンガーシーケンシングで確認をおこなった。その結果、B. xylophilusは種内での多様性が非常に高く、SNVの領域はゲノムの3%以上に及ぶことが明らかとなった。このバリアントに基づき系統解析を行い、国内のB, xylophilusポピュレーション間の関係性を明らかにした。また病原力・その他の表現系とゲノムバリアントとの関連について解析を行った。
2: おおむね順調に進展している
研究はほぼ計画通りに進捗している。
これまでの研究成果を見直し再検討したうえで、研究を継続する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
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