研究課題/領域番号 |
13F03012
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北村 友人 東京大学, 大学院教育学研究科, 准教授
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研究分担者 |
EDWARDS Donald, Jr. 東京大学, 大学院教育学研究科, 特別研究員
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キーワード | カンボジア / 初等教育 / 中等教育 / 就学状況 |
研究概要 |
本研究は、カンボジアにおける初等・中等教育の就学状況に関して、原級留置や中途退学がどのような属性をもった生徒の間で起こりやすく、いかなる属性をもった生徒たちが就学を継続できるのかについて、定量的な手法と定性的な手法を掛け合わせて分析する実証的研究である。カンボジアの基礎教育の現状を概観すると、初等教育段階から前期中等教育段階への移行と、前期中等教育段階の修学継続に関して、大きな問題を抱えていることがさまざまな先行研究で指摘されている。しかしながら、これまでにその原因を理解するための実証的な研究は、十分に積み重ねられてきたとは言い難い。したがって、本研究は、カンボジアがこれから基礎教育を充実させていくうえで解決していかなければならない問題に関するデータを蓄積し、問題の原因を明らかにするとともに、そこから得られた知見を政策へ反映させていくことを目指している。 本研究では、カンボジアの都市部(3校)・農村部(3校)・僻地(4校)の小学校において現地調査を行うことで、生徒たちの就学状況を把握してきた。今年度は、中学1年生に在籍している生徒たち(合計約250名)とその保護者、校長、担任教師たちに、質問紙調査とインタビュー調査を実施した。この約250名の子どもたちを追跡調査していくことで、それぞれの子どもがもつ属性(性別、社会経済階層、学力、家庭環境、対教師関係、友人関係など)によって就学状況にどのような傾向をみることができるのかを明らかにしていくことが、本研究の目的である。 2014年2月に10日間ほどの現地調査を実施し、必要なデータを収集した。この調査では、以前に行った予備調査で対象とした生徒たちと同じ生徒たちが、小学校から中学校に進学する際に、どのような問題に直面したのか、また中学校での学業や生活に関してどのような課題を抱えているのかについて、明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年2月に当初の予定通り現地調査を実施し、本研究において重要なデータを収集することができた。現在は、それらの分析を進めると共に、2015年度の現地調査の準備作業も並行して始めている。こうした状況から、研究は順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定としては、2つの作業を行っていく。まず、2014年度に収集したデータにもとづき、学術誌に発表するための論文を英語で執筆する。そして、2015年度に2度目の現地調査を行い、生徒たちの進級状況や学校生活の様子などについてデータを収集する予定である。この2度目の調査結果についても、年度内に分析をまとめ、論文執筆に取り掛かることを目指している。ここまでおおむね順調に研究は進んでおり、当初の計画通りに今後も研究を進めていきたい。
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