研究課題
本研究は、カンボジアにおける初等・中等教育の就学状況に関して、原級留置や中途退学がどのような属性をもった生徒の間で起こりやすく、いかなる属性をもった生徒たちが就学を継続できるのかについて、定量的な手法と定性的な手法を掛け合わせて分析した実証的研究である。本研究では、カンボジアの都市部(3校)・農村部(3校)・僻地(4校)の小学校において現地調査を行うことで、生徒たちの就学状況を把握してきた。今年度は、中学1年生に在籍している生徒たち(合計約250名)とその保護者、校長、担任教師たちに、質問紙調査とインタビュー調査を実施した。この約250名の子どもたちを追跡調査していくことで、それぞれの子どもがもつ属性(性別、社会経済階層、学力、家庭環境、対教師関係、友人関係など)によって就学状況にどのような傾向をみることができるのかを明らかにした。本研究を実施した結果、調査開始前に想定した属性(上記を参照)が複雑に関連し合いながら生徒の就学を決定していることが実証的に明らかになった。それらの属性のなかでも、家庭環境に含まれる要因が大きな影響を及ぼしており、保護者が学校との関係を構築できているかどうかといったことや、保護者(と生徒)が学業を通していかなる知識や技能を身につけることで将来の就職などに繋がるということを理解しているかどうかといった、保護者の態度や理解が生徒の就学を決定する最も重要な要因であることを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Education Policy Analysis Archives
巻: 22 (12) ページ: 印刷中
Prospects
巻: XLIV (3) ページ: 367-380
School Leadership Review
巻: 9 (1) ページ: 41-50