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2013 年度 実績報告書

ポルフィリンナノチューブの精密有機合成

研究課題

研究課題/領域番号 13F03030
研究機関京都大学

研究代表者

大須賀 篤弘  京都大学, 理学研究科, 教授

研究分担者 COPLEY Graeme J.  京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
キーワードポルフィリン / サブポルフィリン / 芳香族性
研究概要

サブポルフィリンは当研究室において2006年に開発された新規ポルフィリノイドであるが、研究の歴史が浅いために未だその化学は基礎研究の域を越えていない。サブポルフィリンはポルフィリンの環縮小類縁体であり、14π芳香族性、お椀型構造、高い発光性といった興味深い電子的・光化学的物性を有している。これらの特性は、電子移動または電荷移動モジュールとして魅力的であり、また色素増感型太陽電池などの応用にも有望である。そこでまず、サブポルフィリンと、電子アクセプターであるナフタレンジイミドがフェニレンを介して結合した二量体や、色素増感剤としての応用を指向した、カルボキシフェニル基をもつサブポルフィリンの合成をおこなった。これらは今後詳細な分光学測定をおこなう上で基準化合物となる分子であり、今後置換基や電子状態を変化させたモチーフを合成し、比較検討をおこなう予定である。また、3,5-メチル-4-ニトロフェニル基をメゾ位置換基にもつサブポルフィリンが、ねじれ型電荷分離を示す希有な例であることを見出した。3位および5位のメチル基の有無によりその吸収スペクトルや蛍光スペクトルが大きくことなることから、励起状態でのサブポルフィリンの構造および電子状態の変化に興味がもたれる。また、オルト位に立体障害をもつ置換基を持つサプポルフィリンの一つとして、2-ethy1-5-methoxypheny1基をもつサブポルフィリンを鈴木カップリング反応により合成し、温度可変NMRを用いて置換基の回転の速度定数を求める研究もおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画が難航したため、サブポルフィリンを用いた機能性分子モジュールの合成という研究テーマへ変更した。サブポルフィリンの合成が非常に難しく、合成技術の習得に時間を要したが、現在では文献収率と同程度での合成を達成できており、それを用いて幾らかの新規分子の合成に成功している。今後新たなサブポルフィリン類縁体の合成を進めると同時に、合成したサブポルフィリン類の詳細な分光学測定によりその機能性を解明する予定である。

今後の研究の推進方策

サブポルフィリンの合成収率の改善は、新たなサブポルフィリン類縁体の合成において重要であるばかりでなく、サブポルフィリンを機能性分子として応用する上で必要不可欠な課題である。近年開発した、トリピランを用いたサブポルフィリンの合成法を改良し、合成収率の向上を目指す。

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公開日: 2015-07-15  

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