研究課題/領域番号 |
13F03042
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西山 伸宏 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授
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研究分担者 |
MI P. 東京工業大学, 資源化学研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | 高分子ミセル / がん / イメージング / MRI / SPECT / 診断 |
研究概要 |
本研究では、固形がんの高感度イメージングを目的として、MRI造影剤内包高分子ミセルの開発を行っている。本年度は、Gd-DTPAを内包したリン酸カルシウム型高分子ミセルに関して、オートクレーブを用いて121℃で20分間加熱する水熱合成処理を行い、ナノ粒子を安定化することに成功した。Gd-DTPA内包ミセルは、Gd-DTPA単独と比較して6倍のT1緩和能を示し、マウス大腸がんモデルにおいてがん組織に選択的に集積することにより、腫瘍選択的な造影効果を与えることが明らかになった。一方、マルチモーダルイメージングのための高分子ミセルに関しては、PEG-ポリ(γ-ベンジルーグルタミン酸)(PEG-PBLG)のPEG末端にキレート化剤DOTAを導入し、SPECT造影剤^<111>In^<3+>とMRI造影剤Gd^<3+>イオンを搭載したミセルを開発した。今後は、担がんマウスを用いた動物実験によりマルチモーダルイメージングの有効性を実証していく予定である。最後に、リガンド分子を搭載したナノ粒子造影剤に関しては、腫瘍血管内皮細胞や多くのがん細胞で過剰発現していることが知られているα_vβ_3インテグリンに特異的に結合する環状RGDペプチドを搭載した中空ナノ粒子PICsomeを開発した。環状RGDペプチド搭載PICsomeは、ヒトGlioblastoma細胞によって効率的に取り込まれることがin vitro実験により確認された。今後は、環状RGDペプチド搭載PICsomeの内水相にMRI造影剤の酸化鉄微粒子を内包させ、悪性脳腫瘍のMRイメージングへと展開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
水熱合成処理を行った Gd-DTPA 内包ミセルに関しては、in vivo実験における有効性が明らかになり、その成果をJ. Control. Release誌(136:157-163 (2014))に発表することができた。マルチモーダルイメージングのためのミセルに関しても調製に成功し、次年度よりin vivo実験を開始する。
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今後の研究の推進方策 |
マルチモーダルイメージングのためのミセルに関しては、担がんマウスを用いた動物実験によりその有効性を明らかにする。また、環状RGDペプチド搭載PICsomeに関しても体内動態試験によるがん標的化機能を明らかにし、悪性脳腫瘍のMRイメージングへと展開する。一方、既にin vivoでの有効性が確認されているGd-DTPA内包リン酸カルシウム型高分子ミセルに関しては、新たな展開として、ガドリニウム中性子捕捉療法(GNCT)における有効性を検証する。
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