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2014 年度 実績報告書

光レオロジー: 偏光で見る生体のバイオメカニクス

研究課題

研究課題/領域番号 13F03053
研究機関筑波大学

研究代表者

安野 嘉晃  筑波大学, 数理物質系, 講師

研究分担者 KASARAGOD Deepa  筑波大学, 数理物質系, 外国人特別研究員
キーワード偏光 / OCT / 強膜 / コラーゲン
研究実績の概要

今回の研究計画では、組織の偏光特性を計測する装置として光計測装置「偏光光コヒーレンストモグラフィー」を用いた。本研究の目的は、組織の微弱な複屈折の違いを通じて、組織の機械特性を類推することである。従来、偏光光コヒーレンズトモグラフィーを用いて組織の微弱な偏光の違いを計測するためには、複数回組織の同一部位の計測を繰り返し、その計測値を平均することでノイズの影響を低減し、複屈折計測を行ってきた。(この手法をmean estimatorという。)
しかし、今回の研究の初期に行った数値解析により、偏光OCTにおいては、mean estimatorはどれだけ平均数を挙げて行っても推定値が真値(真の複屈折)に近づかない、いわゆるbiased-estimatorであることが分かった。
そこで、この数値解析をさらに発展させ、特定の真値と特定のSN比を仮定した場合に計測値がどのように分布するかを詳細に調査した。さらに、その結果にベイズの定理を適用することで「ある複屈折計測値と、ある光コヒーレンストモグラフィーの信号強度」が計測された場合の「真の複屈折値の確率分布」を求めるアルゴリズムを作成した。
最終年度では、これを用いて生きたヒト強膜における眼圧の上昇による機械特性の変化と複屈折の変化について検討した。これは、加齢黄斑変性治療のために硝子体内に抗VEGF製剤を注入する患者に対して、注入前後で強膜の複屈折を計測することで眼圧と複屈折変化の関連性を調べたものである。この時得られたデータの詳細は検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では豚眼を使用したin vitroの実験を中心に行う予定であったが装置の開始が順調に進み、ヒトを対象とした実験を行うことができた。

今後の研究の推進方策

今後は、今回定量計測の対象とした「複屈折」からさらに対象を広げ、組織の散乱特性(散乱計測)、血流までを視野に入れた定量的光コヒーレンストモグラフィーを作成する。さらに、in vivo組織に機械的負荷をかける「Optical cohernece elastography」装置を作成し、ヒト皮膚を対象としたバイオメカニクス・被侵襲フィジオロジー計測を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Bayesian maximum likelihood estimator of phase retardation for quantitative polarization-sensitive optical coherence tomography2014

    • 著者名/発表者名
      Deepa Kasaragod, Shuichi Makita, Shinichi Fukuda, Simone Beheregaray, Tetsuro Oshika, and Yoshiaki Yasuno
    • 雑誌名

      Optics Express

      巻: 22 ページ: 16472-16492

    • DOI

      10.1364/OE.22.016472

    • 査読あり
  • [学会発表] Non-invasive birefringence imaging of anterior eye by PS-OCT : application for glaucoma filtration surgery evaluation2015

    • 著者名/発表者名
      Deepa Kamath Kasaragod
    • 学会等名
      Photonics West2015
    • 発表場所
      The Moscone Center
    • 年月日
      2015-02-08
  • [産業財産権] 偏光感受型光画像計測システム及び該システムに搭載されたプログラム2014

    • 発明者名
      安野嘉晃、カサラゴッド・ディーバ・カマス
    • 権利者名
      筑波大学
    • 産業財産権番号
      特願2014-118159
    • 出願年月日
      2014-06-06

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公開日: 2016-06-01  

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