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2013 年度 実績報告書

低温作動固体酸化物形燃料電池用空気極の反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13F03064
研究機関東北大学

研究代表者

雨澤 浩史  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授

研究分担者 LING Yihan  東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
キーワード固体酸化物形燃料電池 / 空気極材料 / 酸素不定比性
研究概要

固体酸化物形燃料電池(SOFC)の新規カソード材料として期待されている層状ペロブスカイト型酸化物であるSr3Fe207系酸化物の酸素欠陥構造とその熱化学的挙動を欠陥化学に基づいて解析した。酸素欠陥はカソード特性に大きな影響を及ぼす重要物理パラメーターである。SOFC運転条件(酸素分圧1~10'20bar、温度600-800℃)で、本材料系の酸素不定比性を熱重量天秤およびクーロン滴定法により評価した。これらの実験により、酸素分圧1~10^<-20>barという幅広い酸素分圧領域における酸素不定比挙動を測定する事に成功した。実験により得られたデータを欠陥化学に基づいて解析したところ、特定の酸素サイト間で酸素一酸素空孔の交換が起こり、見かけ上ある酸素サイトは還元されて、もう一方の酸素サイトが酸化されるような挙動が予想された。これは通常の酸化物では想定されない、興味深い挙動である。以上の成果は第81回電気化学会にて成果報告した。
また本材料系の電子伝導挙動についても評価を進めている。カソード材料は酸素欠陥を介した酸化物イオン導電性と電子導電性を併せ持つことが望まれており、両特性と関係性を明らかにすることはカソード材料の基礎物性および電気化学的特性を明らかにする上で重要な知見である。今年度、酸素欠陥種の濃度を定量的に評価する事に成功したため、電子キャリアの濃度を推定する事可能となり、より定量的な導電機構の解析が可能となる。来年度は本材料系の電子伝導機構、欠陥構造との関係性を評価する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、固体酸化物形燃料電池動作条件におけるSr3Fe2O7系カソード材料の酸素欠陥構造およびその濃度変化を実験的に測定する事に成功した。また欠陥化学に基づいた解析を行い、本材料系の酸素不定比性(酸素量の変動)を解析する事に成功した。

今後の研究の推進方策

来年度はSr3Fe2O7系カソード材料の酸素不定比性、電子伝導特性および結晶構造の評価を行う予定である。今年度酸素欠陥の評価を行ったため、そのデータを組み合わせることで欠陥に誘起される電子伝導特性の変化および結晶構造の変化を定量的に評価することを目標とする。また異種元素置換した系の評価も計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Oxygen Nonstoichiometry and Defect Equilibrium in the Ruddlesden-Popper Phases Sr_3Fe_2O_<7-δ>2014

    • 著者名/発表者名
      Ling YiHan, Wang Fang, Takashi Nakamura, Koji Amezawa
    • 学会等名
      第81回電気化学大会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2014-03-29

URL: 

公開日: 2015-06-25  

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