研究課題/領域番号 |
13F03068
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤光 康宏 九州大学, 工学研究院, 教授
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研究分担者 |
SOFYAN Yayan 九州大学, 工学研究院, 外国人特別研究員
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キーワード | 絶対重力計 / 相対重力計 / 精密重力測定 / 地熱地域 / 地熱貯留層 / 生産・還元 / 火山 / モニタリング |
研究概要 |
国内の研究対象フィールドとして、大分県九重町の滝上地熱発電所地域と鹿児島県霧島市の大霧地熱発電所地域を選定し. 両地域でハイブリッド精密重力測定を実施した。特に、大霧地熱発電所地域の測定は発電所の定期点検に合わせて実施して、地熱流体の生産・還元の停止と再開に伴う重力変動を捉えることを試みた。その結果、停止時においては生産ゾーンの重力値の増加と還元ゾーンの重力値の減少が、また発電所の運転再開後は生産ゾーンの重力値の減少と還元ゾーンの重力値の増加という、地熱流体の生産・還元と非常に調和的な結果が得られた。 また、噴火活動に伴う地熱流体の質量収支は非常に大きいことが期待されるため、火山活動が活発化した阿蘇火山を研究対象フィールドに加えて繰り返し精密重力測定を実施した。 さらに、ニュージーランドのオハアキ地熱発電所地域においては、相対重力計のみの測定ながら精密重力測定を実施し、2012年9月に実施した精密重力測定の結果と合わせて、重力値の経時変化を追うことができた。 学会等では、国内は日本地球惑星科学連合2013年大会、日本測地学会第120回講演会、日本地熱学会平成25年学術講演会で、また海外では2013APEC Workshop on Geothermal Energy Development in Taipei、38th Workshop on Geothermal Reservoir Engineering, Stanford Universityで発表を行った。このうち2013 APEC Workshop on Geothermal Energy Development in Taipeiは招待講演である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内の研究対象フィールドとして大分県の滝上地熱発電所地域及び鹿児島県の大霧地熱発電所地域で重力測定を実施することができるようになり、また、当初の計画に加えて、活動が活発化している阿蘇火山、及び海外の相対重力測定のフィールドとしてニュージーランドのオハアキ地熱発電所地域を追加することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度も前年度に引き続き、選定されたフィールドにおける絶対重力計と相対重力計によるハイブリッド繰り返し精密重力測定を実施すると共に、地下密度変化に基づいた3次元密度分布モデルを構築し、研究対象フィールドの熱水系についての新たな知見の取得を目指す。
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