ツパイゲノム情報に基づく肝炎ウイルス動物感染系の確立に関する研究

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13F03079
• 研究機関: 鹿児島大学
• 研究代表者: 小原 恭子 鹿児島大学, 共同獣医学部, 教授 (20225478)
• 研究分担者: EZZIKOURI Sayeh 鹿児島大学, 共同獣医学部, 外国人特別研究員
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: ツパイ / ゲノム / HCV / HBV / ピクノジュノール

研究実績の概要

①今年度は、100種以上のツパイの分子に対して抗体を作成し、その性状解析を行った。
②ツパイ新生児に対して、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)を接種し、感染を成立させる事に成功した。
③HCVに対して、抗ウイルス効果を示す物質を探索したところ、フランス松の樹液であるピクノジュノールが細胞毒性を示す事なく、50ug/mLの濃度まで効果がある事が明らかとなった。また、最近開発された抗HCV薬でプロテアーゼ阻害剤であるテラプレビルは、非常に有効な抗HCV剤ではあるが、耐性ウイルスも出現する。ピクノジュノールをテラプレビル耐性ウイルスに作用させたところ、抗ウイルス効果をもつ事が明らかとなった(Ezzikouri et al., Antivirus Res., 2015)。以上の様に、本年度の研究からピクノジュノールは既存の抗ウイルス薬の効果を高める、極めて有用な天然物である可能性が明らかとなった。
④HBVに対してもピクノジュノールが有効であるかを検討し、試験管内でウイルス抗原を減少させる効果があるという予備的知見が得られた。さらに詳細を検討している。今後、ツパイ感染系での評価も予定している。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Inhibitory Effects of Pycnogenol on Hepatitis C Virus Replication. (2015)
  • 著者名/発表者名: Ezzikouri S, Nishimura T, Kohara M, Benjelloun S, Kino Y, Inoue K, Matsumori A, Tsukiyama-Kohara K
  • 雑誌名: Antiviral Research 巻: 113C ページ: 93-102
  • DOI: 10.1016/j.antiviral.2014.10.017.
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Tupaia belangeri as an Experimental Animal Model for Viral Infection. (2014)
  • 著者名/発表者名: Tsukiyama-Kohara K, Kohara M
  • 雑誌名: Experimental Animal 巻: 63 ページ: 367-374
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Toll-like receptor 4 and hepatitis B infection: molecular mechanisms and pathogenesis. (2014)
  • 著者名/発表者名: Zare-Bidaki M1, Tsukiyama-Kohara K, Kazemi Arababadi M
  • 雑誌名: Viral Immunolgy 巻: 27 ページ: 321-326
  • DOI: 10.1089/vim.2014.0039.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Resistance to cyclosporin A derives from mutations in hepatitis C virus nonstructural proteins. (2014)
  • 著者名/発表者名: Arai M, Tsukiyama-Kohara K, Takagi A, Tobita Y, Inoue K, Kohara M
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun. 巻: 23 ページ: 56-62
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2014.04.053.
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] A comprehensive study of B-lymphoma cells spontaneously developed in transgenic mice that express the full hepatitis C virus genome in B cells. (2014)
  • 著者名/発表者名: Tsukiyama-Kohara K and Kohara M.
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜、神奈川県横浜市
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] Palmitoyltransferase Inhibitor Inhibits Hepatitis C Virus Replication in Human Hepatocytes. (2014)
  • 著者名/発表者名: Kohara M, Tokunaga Y, Tsukiyama-Kohara K, Sudoh M.
  • 学会等名: 第37回日本分子生物学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜、神奈川県横浜市
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] Development of Tupaia belangeri for HBV persistent infection. (2014)
  • 著者名/発表者名: Ezzikouri, S., Chi, H.Y.., Sanada, T., Nagano, K., Yamaguchi, C.., Kanda, T., Kanazawa, N., Okuya, K., Ueno, K., Nakagawa, H., Nkogue, C.N., Ozawa, M., Miyoshi, N., Benjelloun, S., Murakami, S., Tanaka, Y., Kohara, M., Tsukiyama-Kohara, K.
  • 学会等名: 第62回日本ウイルス学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜、神奈川県横浜市
  • 年月日: 2014-11-10 – 2014-11-12
• [学会発表] Inhibitory Effects of Pycnogenol on Hepatitis C Virus Replication. (2014)
  • 著者名/発表者名: Ezzikouri S., Kohara M, Tsukiyama-Kohara K.
  • 学会等名: 第73回日本癌学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜、神奈川県横浜市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] HBV pathogenesis and host response in Tupaia belangeri (2014)
  • 著者名/発表者名: Sanada T, Yamamoto N, Tsukiyama-Kohara K, Ezzikouri S, Tateno C, Kohara M
  • 学会等名: 2014 HBV international Meeting
  • 発表場所: UCLA, ロサンジェルス、アメリカ
  • 年月日: 2014-09-03 – 2014-09-06
• [学会発表] Comprehensive analysis of B-lymphoma cells spontaneously developed in transgenic mice that express the full hepatitis C virus genome in B cells (2014)
  • 著者名/発表者名: Tsukiyama-Kohara K, Kohara M, and Kasama Y
  • 学会等名: 第16回国際ウイルス学会(ICV2014)
  • 発表場所: バンフ、カナダ
  • 年月日: 2014-07-27 – 2014-08-01
• [図書] 生命科学のためのウイルス学（監訳 下遠野邦忠、瀨谷司） (2015)
  • 著者名/発表者名: 小原恭子、小澤真（分担著者）
  • 総ページ数: 332
  • 出版者: 南江堂
• [備考] 共同獣医学部動物衛生学分野ホームページ
  • URL: http://www.vet.kagoshima-u.ac.jp/kadai/V-douei/douei/index.php