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2013 年度 実績報告書

中国南西部における侵入植物と土着植物の窒素利用様式に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13F03080
研究機関東京農工大学

研究代表者

木庭 啓介  東京農工大学, 大学院農学研究院, 准教授

研究分担者 LEI Yanbao  東京農工大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
キーワード窒素循環 / 安定同位体 / 硝酸性窒素 / 土壌 / 進入植物 / ストイキオメトリー
研究概要

本研究では, 中国南部で猛威をふるっているクロフトン雑草がどのように生態系へと侵入し, 生息地を拡大しているかについて, 植物の栄養獲得様式, 特に窒素とリンの獲得様式に着目して研究を行う。現在我々の持つ仮説では, クロフトン雑草が高い硝酸イオン吸収能を持ち, 高窒素濃度の葉を展開し, 土壌へと供給することによって, より土壌が硝酸イオン生成能を持つようになる, というpositive feedbackの結果, 侵入後の生態系をよりクロフトン雑草の生育が容易であるものへと改変していると考えている。
これまで異なるクロフトン雑草侵入程度(つまり異なる植物多様性)をもつプロットにおいて採取してきた, 300あまりの土壌, 植物試料について、1 窒素, 炭素, リン濃度, そのストイキオメトリーを測定し, 窒素炭素リン循環の概略をつかむこと、2 窒素炭素安定同位体比を測定し, 植物の水利用効率, 窒素獲得様式の多様性について群落レベルの議論を行うこと、3 植物体内中の硝酸イオン濃度および窒素酸素安定同位体比を測定すること、を目的としている。1年目は2について研究を行い、群落の多様性の増大に伴う土壌の窒素同位体比の変化が観測された。これについてはさらなる精査が必要であり、1、3の結果によってなぜ植物多様性と土壌の窒素安定同位体比に相関が見られるのかについて検討が可能となる予定である。現在1についてはリン濃度よりもより的確な指標となり得るリン獲得に関連した酵素の活性測定を開始しており、当初予定していた計画よりも一歩詳細なストイキオメトリックな議論が可能となると期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初利用可能であった測定機器の故障により、2年目に行う植物体内硝酸性窒素測定について、まだ予備測定が行えていない状況であることが問題である。しかし現在新しい測定機器を準備中であり、2014年5月には利用可能となるため大きな影響はないと考えている。硝酸性窒素測定の代替であるトレーサー実験も平行して進めていること、そしてメインの安定同位体比測定は進んでいる、ということから②という評価を下した。

今後の研究の推進方策

植物体内硝酸性窒素測定に必須であるが故障してしまったGC-ECDについては2013年8月に提出した交付申請書に記載の通り本研究補助金にて新たなものを購入し、さらに測定に必要な改良を加えることで、2014年6月頃から本格始動が行える予定である。また、この若干の遅れを取り戻すべく、別に補完的なトレーサー実験も行っており、研究全体としての質は下がらないように研究の方向を調整している。H26年度は植物体内硝酸性窒素測定と酵素測定による植物の養分利用についての観測を進め、なんとか滞在中の論文化を実現させたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.tuat.ac.jp/~keikoba/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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