研究課題/領域番号 |
13F03082
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
荒瀬 榮 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40127478)
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研究分担者 |
PARADA JACO Roxana 島根大学, 生物資源科学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イネごま葉枯病 / 光誘導抵抗性 / エリシター / 殺生性病原菌 / 胞子発芽液 / フェニルプロパノイド経路 / トリプトファン経路 |
研究実績の概要 |
イネ葉にごま葉枯病菌接種後、赤色光区及び自然光区に保つと、赤色光区での病斑形成は自然光区に比べて著しく抑制された。この病斑形成の抑制は、ごま葉枯病菌接種後にイネ葉に照射された赤色光の照射時間に依存して強くなった。しかし、セルロース膜上での病原菌の侵入行動、とくに侵入菌糸形成は赤色光区においても阻害されなかった。この結果は、赤色光区における病斑形成抑制が病原菌の侵入行動に対する赤色光による直積的抑制作用によるものではなく、イネに誘導された抵抗性が病斑形成の抑制に繋がったものであることを示した。イネのフェニルアラニンアンモニアリアーゼ及びトリプトファン脱炭酸酵素の阻害剤であるα-アミノオキシ酢酸及びs-α-fluoromethyltryptophanをそれぞれ前処理したイネ葉では赤色光処理により見られた病斑形成抑制は見られなくなった。この結果は、イネのごま葉枯病菌に対する光誘導抵抗性にはフェニールプロパノイド経路とトリプトファン経路が関与していることが示唆された。イネ葉を含む蒸留中でごま葉枯病菌胞子を発芽させて作成した発芽液の処理イネ葉を赤色光区に保った場合は自然光区に保ったそれに比べて病斑形成は著しく抑制された。このことは、赤色光区におけるイネのごま葉枯病菌に対する抵抗性の誘導にはごま葉枯病菌胞子が侵入前の胞子発芽時に分泌する2次代謝産物が深く関係していることが示唆された。植物の誘導抵抗性は活物性病原菌か殺生性病原菌かのいずれか一方にのみ有効で、両タイプの病原菌に対して有効な抵抗性が同一条件下の植物に発現するということは知られていない。本研究成果は、光照射が両タイプの病原菌に有効な抵抗性を植物に同時に誘導できることを示しており、自然界では前述の2つのタイプの病原菌の攻撃を同時に受けている植物の防除を可能にする技術開発の可能性を示している。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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