研究課題/領域番号 |
13F03084
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
天野 洋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00143264)
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研究分担者 |
GHAZY Noureldin 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 天敵 / 貯蔵 / カブリダニ / ハダニ / 生物的防除 / IPM |
研究実績の概要 |
天敵資材を有効に利用するためには、生産過程における増殖方法の開発だけでなく、生産された天敵資材をより有効に利用現場(農業生産現場)まで運搬する事が求められる。運搬過程の天敵死亡率が高ければ、増殖効率がいくら高くても実用価値は低減される。本研究の究極的な目的は、重要害虫であるハダニ類の有力天敵であるミヤコカブリダニとチリカブリダニを材料として、その運搬を低温下で行う事により(餌も必要無くなり)死亡率を抑えて、利用効率を上げるための技術を開発するものである。 その基礎的資料として、ミヤコカブリダニの各種低温条件・湿度・餌条件下での生存と増殖のパフォーマンスを実験条件下で観察した。その結果、5-10℃、100%湿度の条件で雌成虫は長期生存(2ヶ月以上)し、その後の産卵にも影響が認められなかった。また、餌質を向上させる(休眠型のハダニ雌成虫を貯蔵前に供試)事によって、この耐性はより向上し、80%のカブリダニ雌成虫が2ヶ月半以上の生存率であった。一方、チリカブリダニでも5℃下で6週間の貯蔵が可能で、貯蔵後の悪影響(生存や産卵)もなかった。長期貯蔵期間中のカブリダニは、低温と低湿度(体水分のロス)によって大きな傷害を受けるが、同時に餌不足による飢餓にもさらされる。しかし、この栄養不足は貯蔵前の餌種(栄養も含めて)の工夫によって改良の可能性が考えられた。 そこで、貯蔵前に種々の餌種を与える事による貯蔵中・貯蔵後のミヤコカブリダニのパフォーマンスを観察した結果、脂質と炭水化物を多く含む餌種を事前摂食した雌成虫は、生存率や産卵率が高いことが分かった。これらの結果は、今後の天敵資材の利用形態の改良に結びつく知見であり、現場における今後の天敵利用技術に活かすことが出来る。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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