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2013 年度 実績報告書

癌幹細胞分化制御薬による膵臓癌根絶法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13F03210
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

栗崎 晃  独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 研究チーム長

研究分担者 WANG Y. Y.  独立行政法人産業技術総合研究所, 幹細胞工学研究センター, 外国人特別研究員
キーワード幹細胞 / 癌 / 分化 / 化合物 / 治療薬 / スクリーニング
研究概要

本研究の目的は、早期発見が非常に困難で、進行が早く、極めて予後が悪い膵臓がんの新たな治療法を開発することである。平成25年度は、膵臓がん分化誘導活性をもつ化合物をスクリーニングするため、がん幹細胞の存在が報告されている膵臓がん細胞株であるL3.6pl細胞を利用し、がん幹細胞マーカーであるALDH1活性やCD133、CD24/CD44/ESAなどの発現を指標に、ES細胞から膵臓細胞への分化促進作用が報告されている既知化合物や幹細胞分化因子を作用させるとともに、化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行い、膵臓がん幹細胞を減少させる効果のある化合物を同定した。同定した化合物は、マウスES細胞を用いたin vitroの分化系で神経細胞への分化促進活性を示すなど、実際に幹細胞に対して分化促進化合物として機能していることも確認された。また、がん幹細胞を含む膵臓がん細胞に処理すると、その濃度依存的に細胞数の減少が確認されるとともに、MTTアッセイにより生細胞数の減少も確認できた。さらに、膵臓分化マーカーである、Ngn3やグルカゴンなどの発現量が定量的RT-PCRで上昇するなど、がん幹細胞に対して分化促進活性を示すことも確認できた。さらに、癌幹細胞マーカーとして知られているALDH1やCD24/CD44/ESAの発現量を減少させる効果が確認され、癌幹細胞を分化させる活性があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記9に記載したように、当初目的としていた、膵臓がん幹細胞を減少させる効果のある化合物を同定し、さらに、その分化促進活性をES細胞を用いて確認するとともに、癌幹細胞を含む膵臓癌細胞を利用して、その増殖抑制効果や分化促進効果、癌幹細胞マーカーの発現抑制効果をin vitroで確認することに成功した。

今後の研究の推進方策

平成25年度に同定した化合物を利用して、さらにin vivoでの効果を検討するため、膵臓癌細胞をnudeマウスの皮下や膵臓に移植して膵臓がんモデルマウスを作製し、スクリーニングで同定した幹細胞分化促進薬を局所及び皮下投与して、膵臓癌細胞を減少させうか検討する。さらによりヒト膵臓がんに近いモデルであるNOD-SCIDマウスにヒト膵臓がん組織を移植したXenograftモデルを用いて、膵臓癌幹細胞の減少を検討するとともに、既知抗がん剤を組み合わせることで、ヒト膵臓がんを効果的に根絶できるか検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] IDENTIFICATION OF PHOSPHORYLATED TIF11β EXPRESSED IN GENITAL TISSUES OF ADULT MICE2013

    • 著者名/発表者名
      Wang, Y. Y.
    • 学会等名
      国際幹細胞学会
    • 発表場所
      ボストン、MA、USA
    • 年月日
      2013-06-14
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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