研究課題/領域番号 |
13F03213
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
江口 正浩 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所・細菌・寄生虫研究領域, 主任研究員
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研究分担者 |
ARIBAM Swarmistha Devi 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所・細菌・寄生虫研究領域, 外国人特別研究員
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キーワード | サルモネラ / モノクローナル抗体 / 液性免疫 / ワクチン / 防御抗原 |
研究概要 |
これまでに、サルモネラ感染防御に関与するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株を国内外の研究機関に先駆けて樹立した。本研究は我々が作成した、サルモネラ感染防御に関与するモノクローナル抗体の機能解析を目的とする。本年度は、抗体が認識する抗原の同定および同定した抗原による感染防御試験、また作製したモノクローナル抗体による野外分離サルモネラ株(Salmonella enterica serovar Typhimurium)に対する感染防御能の試験を行った。モノクローナル抗体が認識する抗原をウィスタンブロット法およびドットブロット法にて同定した。次に同定した抗原を予めマウスに免疫し、その後、サルモネラを10 LD50の菌数を腹腔感染させると抗原を免疫したマウスは有意に感染防御を示した。さらに、抗原を予め免疫したマウス血清を移入したマウスもサルモネラ感染に対して防御を示した。以上の結果から我々が作製した抗体が認識する抗原が液性免疫応答を介して感染防御することを明らかにした。また、野外分離サルモネラに対する感染防御能の試験において、抗体を予めマウスに投与し、その後、野外分離株をマウスに10 LD50の菌数を腹腔感染させ生存率を調べた。野外株に対するモノクローナル抗体を介した感染防御能を検討したところ、野外分離株においても感染防御することを明らかにした。以上の結果から作成したモノクローナル抗体および同定した抗原は、臨床研究にも応用可能であることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗原の同定など、初年度の実験計画どおり成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、1、モノクローナル抗体による菌の排除機構の検討および2、モノクローナル抗体による菌の排除機構の検討を実施する予定である。1、モノクローナル抗体による菌の排除機構の検討においては、in vitro感染実験の他、他の血清型における感染防御能の検討を実施予定する。2、モノクローナル抗体による菌の排除機構の検討においては、抗体と菌を反応させて後の菌の形状解析など実施する予定である。
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