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2014 年度 実績報告書

軌道角運動量の光制御

研究課題

研究課題/領域番号 13F03336
研究機関九州大学

研究代表者

佐藤 治  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80270693)

研究分担者 SEN Rupam  九州大学, 先導物質化学研究所, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード金属錯体
研究実績の概要

近年磁性体の外場制御の研究が盛んに行われている。外場に応答する磁性体は高密度メモリー材料やスイッチング材料への応用が可能であり、基礎および応用の両面から注目されている。これまでの磁性制御はスピン転移や原子価異性に代表されるようにスピンの多重度を変化させることにより磁性をスイッチさせている。しかし、磁性にはスピン角運動量だけでなく軌道角運動量が寄与する。しかし、これまでは軌道角運動量を制御し磁性をスイッチさせる試みはほとんど行われていない。そこで本研究では軌道角運動量の凍結・融解を外場制御することを目指し、四面体構造を有するマンガン錯体[(TPA)Mn(N3)4] (1)、及びコバルト錯体[(TPP)Co(N3)4] (2)を合成した(TPA= tetrapropylammonium cation、TPP= tetrapropylphosphonium cation)。この二つの錯体に関しX線構造解析を行い単結晶構造を明らかにすることに成功した。いずれの金属もアジド分子で配位され、隣の錯体との金属-金属間距離は10.84 オングストローム(1)と10.99-12.33オングストローム(2)であった。錯体1の磁気特性の測定の結果マンガンは高スピン状態にあることがわかった。さらに、これらの研究の途中でMn3O7+ コアを有する新規なマンガン六核錯体を得た。結晶構造の解析により、この錯体は温度変化により六核錯体の構造がダイナミックに変化することを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

四面体構造を有するマンガン錯体、及びコバルト錯体の開発に成功しその構造まで明らかにすることができた。また、ダイナミックな構造変化を示す新規マンガン六核錯体を開発することができた。

今後の研究の推進方策

四面体構造を有するマンガン錯体、及びコバルト錯体はいずれもやや不安定な錯体であるため、より安定な分子を設計し軌道角運動量の制御を試みる。また、ダイナミックな構造変化を示す新規マンガン六核錯体の構造、及び電子状態について詳細に検討する。特に、量子化学計算を専門とする研究グループとの共同により、電子状態を解明する。

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公開日: 2016-06-01  

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