研究課題/領域番号 |
13F03342
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 晃充 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
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研究分担者 |
JEONG Hyun Seok 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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キーワード | RNA / メチルアデニン / エピジェネティクス / メチル化酵素 / プロテオミクス |
研究概要 |
エピゲノム解析で新たに発見されたm6Aを始めとするDNA・RNA修飾を選択的に標識する化学的手法の確立を目指した。興味の対象は、メッセンジャーRNA中に散見されるN6-メチルアデノシン(m6A)の検出のための化学反応である。m6Aや3-メチルウリジンなどのRNAエピジェネティクスに関係する天然微量化学修飾は、翻訳異常に由来する疾病の原因になることが示唆されており、その効果的検出は興味のある研究対象である。われわれは、最近、DNAエピジェネティクスの根幹をなす天然微量化学修飾5-メチルシトシンや5-ヒドロキシメチルシトシンと選択的な化学反応を見出している。これらの反応は、他の未修飾シトシンに対する反応性がきわめて低いため、染色体DNA内の修飾シトシンの配列選択的蛍光観察を可能にした。しかし、RNAを含めた多様な天然微量化学修飾を網羅するにはまだ到達していない。特に、m6Aや3-メチルウリジンに対してはその変化の小ささのため、未修飾塩基と区別できる化学反応を特定するに至っていない。単純な化学反応ではなく、当該修飾塩基を認識する酵素を化学的に改変することが修飾塩基の標識への最も近道だと考え、この研究を推進する。 まず、細胞機能制御の中で重要な位置を占めるm6A脱メチル化酵素FTOの効率的検出をターゲットとし、m6A近傍に光親和性クロスリンクジアジリンを導入したRNAを合成することを試みた。まず、m6Aを3段階で化学合成し、RNAへ固相合成法を用いて導入した。現在、この合成m6A-RNAを用いて、FTOの結合を評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた実験計画を逸脱することなく、着実に実験が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定にしたがって、m6A近傍に光親和性クロスリンクジアジリンを導入したRNAを合成し、FTOとの光クロスリンクを目指す。
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