研究課題/領域番号 |
13F03354
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
|
研究分担者 |
AKPABIO Emmanuel 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 公衆衛生 / 環境健康 / 水 / 移民 / 英国 / ナイジェリア / イビビオ族 |
研究実績の概要 |
本研究では、ヨーロッパに居住するナイジェリア人の抱える問題を理解する目的で特に文化的観点から環境健康課題を取り扱った。イビビオ族の水・衛生設備および衛生状態に関してその地方で広く行きわたっている考え方、信条や行為を用いて英国に住む彼らの親戚縁者とを比べて有意な差異があるかどうかを調べた。主な方法は、イビビオ族の移住者達の生活圏や環境に関する健康の知識とその背景が、まったく異なる構造や社会的制度の組み合わせと異なる知識の用い方や技術によって英国においてどのように展開され、再現されるのかを理解することである。個人のいくつかの環境健康問題の考え方を定めるためのものの見方を使って特に社会経済的および広範な文化的特徴の関係分析に注意をはらった。その際、衛生設備の概念や、考え方、感染症の知識、水および水質の知識、健康と福利の考え方、子供の福祉と衛生状態、考え方や情報の共有の色々な方法、そして現代的な健康維持の色々な方法の利用なども考慮した。いくつかの地方の文化的概念は、英国の文脈の中では無用であると見做される。一方、ほかのいくつかは有用だとして存続するということが実際わかっている。本研究では、何が変わって何が変わらなかったのかという問いに焦点を当てている。これらの問題に関していくつかのインタビューと議論をするために英国に2014年7月から8月にかけて3週間滞在した。その結果をさらに検証するために2015年5月に英国を再び訪れる予定としている。本年度は成果として2編の論文を執筆し、出版された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2編の論文が既に出版されており、基調講演なども3回実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで進めてきた研究の検証を、再び英国に渡航して行い、さらに学術論文としてとりまとめる。
|