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2013 年度 実績報告書

ヒートポンプサイクルにおけるナノ流体の動特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13F03357
研究機関東京大学

研究代表者

党 超鋲  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授

研究分担者 PENG Hao  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
キーワード管内凝縮伝熱 / 非共沸混合冷媒 / 低GWP冷媒 / 液膜挙動測定 / 数値計算 / 環状流 / スラグ流
研究概要

本研究は、非共沸混合冷媒の管内凝縮伝熱のメカニズムを解明するために、内径4㎜から1㎜程度のマクロ流路からマイクロ流路への遷移領域における管内凝縮特性の実験測定を行う、管径および作動媒体物性による伝熱性能の変化を明らかにする。また、その伝熱性能と管内流動様式、特に薄液膜の厚みと気液界面の乱れに密接な関係があるため、管内流動様式の観察と、薄液膜の厚みの直接実験測定を行う。その薄液膜の挙動を用いて凝縮伝熱の理論解析を行う。
平成25年度には、微細流路を流れる気液二相流の流動様式及びスラグ流における気泡速度と液膜厚さを, また環状流における圧力損失と液膜厚みについて、レーザー共焦点変位計と高速度カメラを用いて実験的に観察を行った. 液相の物性や流路の寸法による影響を包括的に評価するため, 内径が0.5㎜, 1.0㎜, 2.0㎜のガラス円管と, 液相には水, エタノール, FC72, 二種類のシリコンオイルKF-96L-0.65csとKF-96L-2csを用いた. 流動様式は, 管径が大きくなるにつれ, また液相の表面張力が小さくなるにつれ, 既存研究での流動様式線図と異なるが, 粘性による影響は小さいことが確認された. また, 気泡速度と液膜厚さに関しては, 実験結果と既存研究における相関式がおおむね一致したが, 特に液相の表面張力や粘性が低い条件では, 既存の相関式よりも実験値が低い値を示した. また管径が大きくなるに従って, その誤差も大きくなることが確認された. さらに、微細流路内の流動様式にと液膜厚みに関するCFD解析を行い、流動様式の変化と液膜厚みの定性的な評価ができることが確認した。今後は定量的な評価を行う予定である
なお、申請当初は管内凝縮におけるナノ流体の伝熱特性およびサイクル性能への影響について研究する予定だったが、相変化過程におけるナノ流体の安定性問題が短期間の解決策がないため、また、低GWP冷媒とその混合冷媒の管内凝縮の特性の理論解明の重要性からは、非共沸混合冷媒の管内凝縮伝熱の解明にテーマ変更した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に予定したスラグ流および環状流における実験測定がほぼ完了し、異なる管径、作動媒体による流動様式お薄液膜厚みの変化の整理ができた。また、数値解析による定性的な評価を行い、凝縮伝熱実験の準備も開始した。
ただし、一年目は計測装置の選定と実験サイクルの作成に多大な時間かけたため、予定通りの計測ができたとしても、計測結果の理論的な解析について今後努力すべきである。

今後の研究の推進方策

今後は、数値解析の結果と実験結果と参照して、管径および作動媒体物性による流動様式および液膜厚みの変化のメカニズムを解明した上、矩形管、三角管において同様な解析を行う予定です。また、実際の凝縮過程においてその伝熱性能の変化を管径、作動媒体物性および流動状態との関連性を定量的に評価し、混合冷媒の伝熱特性および混合冷媒に対して最適な伝熱管形状について検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Experimental Study on Liquid Film Thickness of Annular Flow2014

    • 著者名/発表者名
      Yuki Yoshinaga, Hao Peng, Chaobin Dang, Eiji Hihara
    • 学会等名
      International Refrigeration and Air Conditioning Conference at Purdue University
    • 発表場所
      Purdue University, USA (発表確定)
    • 年月日
      20140714-17
  • [学会発表] 微細流路における環状流の液膜厚さの実験的測定と予測モデル2014

    • 著者名/発表者名
      吉永祐貴, Hao Peng, 党超鋲, 飛原英治
    • 学会等名
      第51回日本伝熱シンポジウム
    • 発表場所
      アクトシティ浜松・コングレスセンター、静岡(発表確定)
    • 年月日
      20140521-23
  • [備考] 東京大学人間エネルギー環境学研究室ホームページ :

    • URL

      http://www.hee.k.u-tokyo.ac.jp/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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