研究概要 |
初年度は5ヶ月のみであり, 準備期間とした. 実施した内容は, 以下の項目からなる. 1. 河川遡上津波による土砂移動現象, および津波による砂移動現象に関する文献調査の実施, 2. 数値モデルの開発の着手, 3. 仙台海岸における現地資料の収集, 4. 水理実験の準備である. このうち, 1. については, 日本国内において多くの研究がなされており, これらを中心にレビューを行うとともに, さらに, Coastal Engineeringなどの国際ジャーナルについても検討を行った. 2. の数値モデルに関しては, 盧敏氏が博士課程在学時に開発した浅水流方程式(Shallow Water theory)に基づくものを基本とした. 本モデルを, 河川を模した水域に遡上する津波に適用し, 数値計算を実施した. 数値シミュレーション結果は実測と良好な一致を示した. また, 3においては数値モデルの検証に必要な現地データの収集を行った. 対象は2011年津波により大きな被災を受けた北上川とした. 水位データ, 痕跡データ, ビデオ映像などを入手した. 4. の水理実験に関しては, 現有の二次元造波水路を用い, これにダムブレーク流れを発生させ, 津波に類似した水理現象を発生させた. これにより, 次年度に向けた基礎的な実験を終えた. これらの成果を, 海岸工学講演会(平成25年11月, 福岡), 水工学講演会(平成26年3月, 神戸), 東北地域災害科学研究(平成26年1月)などにおいて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標とした研究レビュー, 数値シミュレーション, 現地資料収集, 予備的水理実験を終えており, 標記判断に至った.
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