研究課題
本研究課題では半導体量子ドットを増感剤とした可視光応答型光触媒の開発を目指している.ナノ構造体の電子伝導,増感剤,触媒材料の結晶構造を制御し,光捕集機能に優れた電極触媒として働く光触媒材料を開発する.本年度は共同研究も積極的に進め,研究内容と執筆に大きく係わった8件の論文を報告した(うち,2件は筆頭著者).酸化チタンをベースとした光触媒ナノ粒子にドーピングを施すことで可視光にも応答した光触媒材料を開発した.ガドリニウムドープ酸化チタン,窒素ドープ酸化チタンに金ナノ粒子を担持したプラズモン効果を利用した材料,p型半導体である酸化銅と酸化チタンをハイブリッド化したpn接合型光電極,CdS量子ドット酸化チタン等を開発し,光アノードとして機能することを実証した.材料評価にはインピーダンス解析及びFDTD解析などを駆使し,材料設計の指針とした.また,効率よく水素発生させるために,アノード室に有機物のモデル化合物としてグルコースを添加することが効果的であることを見出した.これにより有機物を光電気化学的に分解もしくはセンシングするとともに,カソードで高効率に水素発生できることを明らかにした.
1: 当初の計画以上に進展している
ナノ構造体と増感剤について様々な組み合わせを網羅的に検討し,水素発生の高効率化に成功している.今後はさらにグラフェン等の量子ドット材料との複合化を行う等,さらなる研究の進展が見込める.
酸化チタンの性能を最大限に引き出せる増感剤の検討を行う.グラフェン以外にもFeSやMoS等の硫化物系光触媒との複合化により高効率水分解による水素製造に取り組む.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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