研究課題/領域番号 |
13F03388
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
馬 建鋒 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授
|
研究分担者 |
CHEN Zhichang 岡山大学, 資源植物科学研究所, 外国人特別研究員
|
キーワード | イネ / アルミニウム / 耐性 / 転写因子 / 制御因子 / 活性化 |
研究概要 |
イネのアルミニウム耐性転写因子ARTIの活性化機構を明らかにするために、ART1と相互作用するタンパク質の探索を行い、本年度は以下のような結果を得た。 1. ART1にFlag及びHAタグをつけて、コムギ胚無細胞系でFlag-HA-ARTIの合成を試みた。HA及びFlagの抗体を用いて精製したあと、ART1の抗体でwesternを行った結果、予想したサイズ(50kD)とは異なるが、単一なバンドが見られ、目的のタンパク質の合成ができたと考えられる。 2. このタンパク質を用いて、アルミニウム処理有無の根から核タンパク質を抽出し、免疫沈降を行った。電気泳動の結果、タグされているART1タンパク質以外に、25kDのタンパク質が検出された。しかも、アルミニウム処理の根と比べ、無処理のほうの量が多かった。このことはこのタンパク質は負のレギュレーターとして機能している可能性があり、今後更なる解析が必要である。 3. 一方、同じコンストラクトFlag-HA-ART1をART1のプロモーター制御下でart1変異体に形質転換した。形質転換値物でART1が発現していることを確認した。しかし、アルミニウム耐性を調べた結果、artl変異体と同程度で、相補しなかった。抗体染色でART1の局在を観察した結果、本来局在すべき核での局在が少なく、タグの影響が考えられる。今後、C末端にタグをつけて試みる予定である。 4. その他、ART1下流にある遺伝子OsMGT1について更なる解析を行った。OsMGT1はマグネシウム輸送体をコードしているが、その破壊株では、アルミニウム耐性だけではなく、耐塩性も顕著に低下することが分かった。破壊株の地上部のNa濃度が野生型と比べ、増加した。このことはOsMGT1がイネの耐塩性にも関与していることを示唆している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した実験はほぼ順調に進展した
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の結果に基づいて、新たなコンストラクトを作成して、形質転換を行い、引き続きART1と相互作用するタンパク質を同定していきたい。
|