研究課題/領域番号 |
13F03397
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北澤 春樹 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10204885)
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研究分担者 |
KANMANI Paulraj 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | イムノバイオティクス / イムノジェニクス / 腸管パイエル板 / 腸管上皮細胞 / ブタ / ウイルス / 免疫調節 / 食品・飼料 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】 近年、乳酸菌やビフィズス菌に代表されるプロバイオティクスの中でも腸管免疫調節機能性を発揮するイムノバイオティクスが注目され、飼料・食品における発展的利用性が期待されている。そこで、本研究では、家畜腸管上皮細胞におけるイムノバイオティクスやイムノジェニクス(イムノバイティクス由来の活性因子)の腸管免疫調節機構解明と抗ウイルス感染免疫選抜・評価システムを基礎として、抗ウイルス免疫調節性イムノバイオティクスの選抜・評価し、飼料・食品免疫学的利用性を追究することを目的とする。本年度は、ブタ腸管上皮(PIE)およびウシ腸管上皮(BIE)細胞におけるロタウイルス感染性について検討し、新たなイムノバイオティック評価系構築の基礎を築いた。さらに本評価系の構築を手掛けながら、昨年度選抜したイムノバイオティクス候補菌株についてウイルス感染に対する効果の検討を開始した。 【研究成果】 (1) PIE細胞およびBIE細胞におけるロタウイルス感染性: PIE細胞およびBIE細胞にA群ロタウイルス株を暴露させ、2段階時間におけるウイルス感染・増殖性について、間接蛍光抗体法により解析したところ、ロタウイルス感染性が認められその力価を算出し評価することができた。 (2)PIE細胞およびBIE細胞におけるイムノバイオティクスのロタウイルス感染に対する効果の評価: 実験(1)により、評価系に最適なロタウイルス株とその感染力価および感染時間を設定することができた。次いで、PIEおよびBIE細胞を昨年度選抜したイムノバイオティクス候補菌で前刺激後、ロタウイルスを感染させ、ウイルスの感染・増殖性について解析したところ、阻害活性が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
家畜腸管上皮細胞を用いて、ロタウイルスを用いた発展的評価が可能となった。特にウシ腸管上皮細胞においては、世界で初めての事例となり大変有意義な成果が得られた。また、本年度新たに原著論文を公表することができ、新たな成果についても原著論文作成が進んでおり、予想以上に研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
イムノバイオティクスやイムノジェニクスの、家畜腸管上皮細胞におけるウイルス感染に対する免疫調節性についてさらに評価し、抗ウイルス性免疫調節機構について詳細解析を行う。
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