研究課題/領域番号 |
13F03501
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
上田 佳代 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員
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研究分担者 |
NG Chris Fook Sheng 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 外国人特別研究員
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キーワード | 健康影響 / 大気汚染物質 / 低炭素社会 |
研究概要 |
温室効果ガス排出低減策施策の実施が、大気汚染物質低減を介してどの程度人々の健康を同上させるかを定量的に評価するために、2013年10月から2014年3月までに以下のことを実施した。 1)日本国内の疫学データを用いて、大気環境(気象条件や大気汚染物質)が死亡に及ぼす影響について評価した。この結果から得られた大気環境が健康に及ぼす影響推定値とそれらの空間分布情報を用いて、関連する死亡数とその分布を推定した。この健康インパクト評価により、評価手法を確立するとともに、それに伴う課題について明らかにした。今後、低炭素社会の健康インパクト評価を行う上で、有用な情報が得られた。 2)マレーシアでの疫学研究の準備として、研究で用いる医療機関データを得るための倫理審査のために、同国の共同研究者とともにマレーシア保健省の国立医学研究登録(NMRR)に研究計画書を提出した。このプロセスは、同国での疫学研究を実施する上では必要なことである。同国の共同研究者とは、メール等で研究内容やデータ取得の手続きに関する打ち合わせを進め、2014年3月に研究代表者および研究分担者が同国に赴き、現地での健康データ(死亡および入院情報)の管理を担当する共同研究者および大気データの担当研究者と詳細な打ち合わせを行い、役割分担や共同研究の責任等について確認した。 3)研究対象地域の大気環境データを取得し、データクリーニングを行っている。 4)低炭素社会の施策シナリオ等の情報については、国立環境研究所で行われた第18回AIMワークショップに参加し、統合評価モデルに関する情報を得るとともに、本研究の内容についての情報を共有した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健康インパクト評価手法の確立、マレーシアの大気環境テータの取得、AIM研究グループとの情報の共有は順調に進んでいる。マレーシアでの疫学研究について、入院データはマレーシア政府が関与しており、そのデータの取得には当初の予測より時間がかかっている。そのため、マレーシア側の研究代表者を政府が管轄する研究機関の研究者に変更し、政府への申請手続きを行っているため、データ取得は順調に進んでいくと予想される。
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今後の研究の推進方策 |
11.での説明にあるとおり、マレーシアのジョホール州における入院データを用いた疫学研究およびそのデータ申請は、今回が初めてであるため、マレーシアの研究代表者を政府系研究機関の研究者に変更し、申請手続きを行っている。また、州内の13病院で解析に用いることが可能なデータの期間やデータ様式異なることなど、ある程度の問題が生じることが予測されるが、マレーシアの共同研究者(医療系)と共同して、対応していく予定である。
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