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2013 年度 実績報告書

合成化学医療の開発:動物内での標的細胞、および臓器上での生理活性ペプチド合成

研究課題

研究課題/領域番号 13F03504
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

田中 克典  独立行政法人理化学研究所, 田中生体機能合成化学研究室, 准主任研究員

研究分担者 VONG Kenward King Ho  独立行政法人理化学研究所, 田中生体機能合成化学研究室, 外国人特別研究員
キーワード合成化学医療 / 生体内 / 糖鎖 / 有機合成化学 / 糖タンパク質 / マウス / 触媒 / ターゲティング
研究概要

本研究では、「合成化学治療」に従って、生体内での直接的な有機合成化学を実現する。すなわち、触媒や反応試薬を動物内に順次、静脈注射することにより、標的の臓器上や細胞内に対して薬理活性のある化合物をピンポイントかつ必要時に合成・構築することを可能とする。従来、分子量等に問題あった生物製剤をこの方法により「生体内で」化学的に合成して、治療に貢献できる有機合成化学の実現を本研究の大きな目的とする。
既に報告者の研究室では、糖鎖を人工的に導入したタンパク質をマウスに静脈注射すると、糖鎖構造に依存した臓器選択的な集積を示すことを見出している。そこで本研究ではこの知見を有効に利用して、糖鎖付加タンパク質に対して反応を活性化させる試薬や触媒を導入し、まず生きている動物内の特定臓器に対して反応活性基や触媒を運搬・担持する。さらにその後、反応試薬を随蒔、マウス内に静脈注射することによって、特定の臓器付近において選択的な有機反応と標的化合物の合成を実現する。平成25年度の最初の4ヶ月間では、まずタンパク質のリガンドに対して様々な触媒を導入し、タンパク質と相互作用させることによって、触媒活性を持つ人工触媒タンパク質を簡便に調製することができた。この人工触媒タンパク質は、水中でも有機触媒反応を効率的に進行させることが判明した。これらの検討から、今後、タンパク質に対して様々な糖鎖を導入し、特定の臓器への選択的なターゲティングと生体内での多段階合成を実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究開始から4ヶ月という非常に短い時間内であるので、本研究に関する発表はまだ行っていないが、水中で様々な有機合成反応を行うことのできる人工タンパク質を簡便に調製することに成功した。今後、様々な糖鎖を導入することができれば、生きている動物内で有機合成を実施することが可能となり、「合成化学治療」の実現に向けて大きな成果が得られた。

今後の研究の推進方策

本年度に実現した触媒や反応活性効果を持つ人工タンパク質に対して、報告者の方法を使用して様々な糖鎖を導入し、生きている動物内で特定の臓器への選択的なターゲティングを実現する。その後、試薬を随時導入することにより、生体内での特定の部分で求む有機合成反応を実施する。さらに今後、多種の反応が実現できるように反応系を設計し、目的の臓器や癌組織で時空間的に目的化合物の創製を行う。さらに、創製する生理活性物質による生物学的な効果を時空間的に発現させる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 理化学研究所ホームページURL :

    • URL

      http://www.riken.jp/research/labs/associate/biofunct_synth_chem/

  • [備考] 研究室ホームページURL :

    • URL

      http://www.riken.jp/nori-tanaka-lab/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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