研究課題/領域番号 |
13F03507
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
秋本 良一 独立行政法人産業技術総合研究所, ネットワークフォトニクス研究センター, 上級主任研究員
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研究分担者 |
FENG Jijun 独立行政法人産業技術総合研究所, ネットワークフォトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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キーワード | SiN導波路 / 偏波スプリッター / 光集積回路 / 超高速光スイッチ |
研究概要 |
本研究では、InGaAs/AIAsSb量子井戸におけるサフバンド間遷移(ISBT)に起囚する超局速位相変調効果を用いた全光ゲートスイッチの研究開発を行っている。特に、超高速光位相変調効果が発現する光非線形光導波路と干渉計光回路などのパッシブな光回路を高効率に集積化して、従来型と比較して小型かつ低エネルギー動作が可能な光ゲートスイッチデバイスを実現することを計画している。このような小型光スイッチデバイス実現に向けて各種の集積化の要素技術を開発する必要がある。平成25年度は、窒化シリコン(SiN)を用いたパッシブ導波路とISBT光非線形導波路を垂直方向に積層して集積化したマッハツェンダー型ISBT光スイッチ構造を実現するための要素技術として、SiN導波路偏波スプリッターの開発を行った。ISBT光スイッチにおいては、信号光と制御光としてそれぞれTE偏波とTM偏波が用いられるため、SiN導波路光回路を介してTE信号光とTM制御光を合波し、これらの光をISBT光非線形導波路へ結合させるための偏波スプリッターが必要となる。積層方向に光結合した3次元型の方向性結合器による偏波スプリッターを開発した。1層目のSiN導波路層を作製した後、導波路をSiO2でカバーし、CMP研磨によりSiO2表面を平坦化した。その後、研磨表面の粗さを除去するために、レジストを塗布して再度平坦化しドライエッチングを施した。SiO2とレジストのドライエッチング時の選択比が1:1であることを利用して、微視的に平坦な表面を得ることに成功した。これにより表面粗さによる光損失の抑制した第二層目のSiN導波路を形成することが可能となった。1535-1565nmの波長範囲で、16dB以上の偏波消光比を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ISBT光非線形導波路を垂直方向に積層して集積化したマッハツェンダー型ISBT光スイッチ構造を実現するための要素技術として、SiN導波路偏波スプリッターの開発に成功しており、計画はおおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進捗しており、今後も計画通り行う。
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